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zoom RSS テーマ「小説」のブログ記事

みんなの「小説」ブログ

タイトル 日 時
ネガイネガワレ 25
……その二日後。私は施設へと続く一本道を重い足取りで歩いていた。 そばには落ち着かない様子のグレッグとアマンダが付き添っている。 彼らはブランドンによってこの「計画」に協力することになってしまった。見返りとして、買い付けた土地に上乗せした面積を迅速に引き渡すと約束されている。 ...続きを見る

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2017/08/12 16:42
ネガイネガワレ 24
彼ら……ブランドンは施設内の情報を求めていたが、一番知りたがっていたのは地下にある水路のことだった。 施設のどこにあるか、どこにつながっているか、主にそんなことを訊かれた。 地図を見れば解決しそうな話だが、地下水路は後からこっそり作られた物で地図には載っていないのだという。 その存在が明らかになったきっかけは、とある人身売買組織を一網打尽にしたことだそうだ。 吐かせてみると色々な所と取引があったと判明したわけだが、その取引相手の中にあの施設長がいたのだ。 妊娠した女性を施設から引き取り... ...続きを見る

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2017/07/22 13:27
ネガイネガワレ 23
もてなしは何も出来ない、というグレッグの言葉を、一行……いや、そばかす以外の面々は謙遜と受け止めていたらしい。ご婦人同士のお茶会における、「こんな物しかありませんの」と同等と取ったということだ。 無論グレッグやアマンダにしてみれば謙遜なぞ意味のないことであり、正直に事実を述べたまでのことである。 結果、木のカップになみなみとお湯を注がれたのをテーブルに出された彼らは閉口していた。 ...続きを見る

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2017/07/08 14:20
ネガイネガワレ 22
アマンダに一行が来たことを告げると、私は森の中で猟をしている男達を呼び戻すよう頼まれた。 呼び戻すと言っても、わざわざ森に入って人を探すなんて効率の悪いことはしない。入り口の木の枝に板がぶら下げてあり、それを木槌で打ち鳴らすことで男達に知らせるのだ。 何でも叩き方で何事かわかるように決めてあるとかで、カン、カンと一回ずつなら死人か急病人が出た、カンカンと二回ずつなら火事が起きた、カンカンカンと三回ずつならそれ以外、という意味だそうだ。 今回は三回ずつ叩けとのことである。 そんなわけでカン... ...続きを見る

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2017/07/01 18:17
ネガイネガワレ 21
夫妻の名はそれぞれグレッグ、アマンダといった。グレッグはこの村のリーダー格と見え、私をここに置くことを他の三家族に宣言し、承諾させた。 他の三家族については、夫の方がジョンだのジャンだのジャックだのと似たような名前だらけで正直覚えきれていない。聞けば何と三つ子だという。何せ髪の色も目の色も体型も果ては声まで同じときては、私に見分けられるはずもなかった。それぞれの家にいる時か、奥さんを連れている時を除いては。 共通しているのは、皆もう子供を望める年齢ではないことだ。私とはゆうに二回り以上の年の... ...続きを見る

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2017/06/24 11:13
ネガイネガワレ 20
男にいくつか質問した結果、あの施設の建物と森との位置関係が把握できた。 建物の入り口から見た奥の方はなだらかな坂になっていて、その下に森が広がっていたのだ。それが今いるこの場所、ということである。 ...続きを見る

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2017/06/24 10:27
ネガイネガワレ 19
まだら模様の犬は足が速かった。 あっという間に私の目の前まで駆けてきて、ワンワンと吠えた。まるで、そこから一歩も動くなと言わんばかりだった。 ...続きを見る

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2017/06/17 21:03
ネガイネガワレ 18
「初めに伝えておきますけれど」 ...続きを見る

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2017/05/20 13:59
ネガイネガワレ 17
不意に、心地よさを感じた。 幼い頃に母親が優しく頭をなでてくれた時のような、そんな安心感をもたらす心地よさだった。 笑いながらじゃれ合っているであろう、愛らしい子供達の声が遠くに聞こえる。 ...続きを見る

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2017/05/13 19:20
ネガイネガワレ 16
私の知覚を初めに刺激したのは、ざわつく気配とひそひそ話す声だった。 目を開けてみると、私は外にいた。 ...続きを見る

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2017/05/06 19:42
ネガイネガワレ 15
真っ暗闇の中、階段をずうっと降りていくと――下の方にぼんやりした明かりが見えてきた。もうじき底につくようだ。 明かりがあるということは、そこに生活の場なり、仕事の場なり、何かしら人間の活動場所があるということだ。 誰かがいるかもしれない。鉢合わせしたら面倒なことになるだろか。 ……私は足を止めて、今降りてきた方を見上げる。 上へと続く階段の先は果てない暗闇に吸い込まれているかのようで、見ているだけで心細くなる。 今さら引き返せるものか。勉強の時間もとっくに過ぎた今、皆の前へ……デニスの... ...続きを見る

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2017/04/29 11:58
ネガイネガワレ 14
冷静に考えろ。 相手が私に向けた感情は憐れみだ。傷ついた動物を見て抱く感情と同じものだ。お前は傷を負った動物を見て、かわいそうだと思いはしても恋心なんて抱かないだろう? そういうことだ。 冷静に考えろ。 私なんか選ばれるわけがない。相手には思う相手がいる。自分なんて足元にも及ばない高貴で美しい存在だ。それを差し置いて、私を選ぶと思うのか? 冷静に考えろ。 こんな体で、面倒な過去を背負った女がどうやって愛されようというのだ。 冷静に考えろ。 私にはもう、男に差し出せる物なんて残ってい... ...続きを見る

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2017/04/22 12:39
ネガイネガワレ 13
皆が仕事に取りかかると、建物の中はとても静かになった。仕事場は食事や寝起きをする生活の区画から離れているので音が届かないのだ。 指定の場所へ私が着くと、デニスは先に待っていた。窓を直す材料らしい物を小脇に抱えながら、そわそわした様子で。 こちらに気付くなり、彼は尋ねる。 ...続きを見る

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2017/04/08 10:38
ネガイネガワレ 12
デニスはそれから、みるみる回復していった。 目には光が宿り、血色の良くなった顔は生命力が感じられた。動きもきびきびとして、若者らしい活力にあふれていた。 整った顔立ちにはやはり、明るい表情が映えるものだ。女性達はますますデニスに夢中になって、勉強そっちのけで黄色い声を上げたりすり寄ったりした。 かつてのデニスなら、それらの行動に困惑しきっていただろう。だが彼は、以前の彼ではない。 「わかったわかった」と手を叩き、「今は勉強の時間だから、集中してもらいたい」と軽くいなして勉強を続行させる胆... ...続きを見る

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2017/04/01 17:05
ネガイネガワレ 11
自分の名前をひたすら手元の小さな黒板に書き続ける、という初歩の教育は成功をおさめた。 デニスは時間の終わりに一人一人の書いた物を見て回り、ここが違うとかここは上手だとか指導して回っていた。 見た目の良い若い男性が、わざわざ自分を気にかけてくれるのである。この行動は女性達からの高い歓心を得ることとなり、それが結果につながった。 自分の名前を皆の前で書くというテストは全員が一発で合格となった。 ...続きを見る

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2017/03/25 19:05
ネガイネガワレ 10
私達がここで共同生活をしているのは、仕事と教育の機会を与えられてのことである。中身や充実度がどうあれ、そういう名目である。 だがここでの暮らしが始まって一月が経ち二月が経ち、とうとう雪のちらつく季節になっても教育の機会なんてものは訪れなかった。来る日も来る日も、ひたすら鉄の輪っかを磨かされ続けた。 それでもう、誰もが読み書きや計算なんて教えられることもなく仕事ばかりさせられ続けて終わる人生を疑いもしなくなった。 ...続きを見る

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2017/03/18 15:44
ネガイネガワレ 9
私はさっさと食べ物を胃に詰め込むと、回収用の箱に食器を入れて食堂を出た。 そもそも味わって食べるような食事じゃないが、今日はことさら味なんてわからなかった。 次に割れ鐘が鳴らされるまでは自由に休憩していて良いことになっている。ただし休憩中であっても建物の右側、男達が生活と仕事をしている方へ立ち入ることは許されていないが。 食堂を出ると、なるべく人のいない方を目指して歩く。 いつもなら仕事の部屋の自分の席に座って時間をつぶすところだが、今日はそうもいかない。 私はちらりと、肩越しに後ろの... ...続きを見る

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2017/03/11 17:32
ネガイネガワレ 8
人間が心ある状態を持つには、衣食住が満たされていなければならない。そのうちどれかが欠けても人間性に害が生じる――何かでそう聞いた覚えがある。 確かに、健やかな人間性を保つには、清潔な衣服と三食と寝場所の保証された暮らしは欠かせないものだろう。 今の暮らしはそれに当たるのかどうかと問われたら、私には答えられないが。 ...続きを見る

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2017/03/04 17:51
ネガイネガワレ 7
私は女の方へ振り分けられた。 この体で女と見なされたからではない。少なくとも男じゃない、と見なされたからだ。 ...続きを見る

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2017/02/25 13:14
ネガイネガワレ 6
建物に入ると、中は左右に分かれた作りになっていた。 床の石は四角く表面のつるつるした石を敷き詰めてあったが、どれも欠けたり割れたりしている。 首を伸ばして見ると左右の入り口には鉄格子があり、その先の壁に木製のドアが並んでいる。反対側には小さな四角い窓がぽつりぽつりと等間隔に取り付けてある。ただし外側に頑丈そうな鉄格子がはめ込まれている。 通路の一番向こうがどうなっているのかは、よくわからなかった。 ...続きを見る

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2017/02/18 15:27
ネガイネガワレ 5
私の身長より遙かに高い塀のたった一つの切れ目には、それ以上の高さの頑丈そうな鉄扉の門がでんと構えていた。 実に重そうだ。開け閉めするのに時間がかかることだろう。 ...続きを見る

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2017/02/11 13:02
ネガイネガワレ 4
あのちびの名は、フランツ・グローセス・ヴィダリアという大層なものである。 ……ということを、私は人づてに知ることとなった。まあどうでもいい、私にとっては「ちび」である。 ...続きを見る

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2017/02/04 15:28
ネガイネガワレ 3
悲鳴の上がった方を見れば、薄汚い格好のちびが道の上に引き倒されて大人に囲まれているところだった。 ...続きを見る

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2017/01/28 12:20
ネガイネガワレ 2
「どんな願い事でも、かまいませんのよ?」 ...続きを見る

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2017/01/21 10:35
ネガイネガワレ 1
石畳を敷き詰めた通りの端。そこに敷かれた、人の背丈ほどの長さのぼろ切れ。その上に別のぼろ切れをまとって寝転がって、日がな一日、背中越しに雑踏の物音を聞いて過ごす。 それが私の生活だった。他人に言わせれば「落ちぶれ果てた人間の暮らし」というやつだ。 意識は常に半分眠ったようなもの。鬱々と考えることはただ一つ。死んでしまいたい、ということだけだ。できれば眠っている時に、痛みも苦痛も感じることなく死ねたなら……そんな、死に方へのささやかな希望はあるけれど。 ...続きを見る

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2017/01/15 00:00
あなたの特技は何ですか
「特技って何かあります?」 ...続きを見る

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2016/12/17 17:53
私はミスター・ローレンス
――私はミスター・ローレンス。 妻子もなく、たった一人で暮らす五十二歳の男。 ...続きを見る

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2016/11/03 12:19
王様と痛み
むかし、あるところに一人の王様がいた。 王様にはまだ世継ぎがいなかったが、心優しく慈悲深く、主に福祉の面に力を入れていた。 貧しい者には配給をし、傷病者には無料で診てくれる診療所を作り、親をなくした子供達には共同で生活する家とともに勉強を教えてくれる学校を用意するなどである。 これなら、突然不幸に見舞われても安心して暮らせる。王様は「心ある王様」と慕われていた。 ...続きを見る

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2016/10/08 18:14
健康なカラダ
朝目が覚めると、右手が痛かった。手を握ったり開いたりすると激痛が走る。 腱鞘炎か何かかな。俺は薬箱を取りに向かった。 ...続きを見る

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2016/10/02 15:02
地雨 9
俺の姿が、別人の……死なせた人間のものに変貌している。 だが俺は救急車に乗り込むまで、まだ希望を持っていた。 もしかしたらこれは一時的な脳の障害だとかで、自分の姿を正しく認識できていないだけではないか、と。ショックから、自分の姿が高崎の隣の部屋の住人の姿に見えているのでは、と。 ...続きを見る

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2016/08/27 17:35
地雨 9
……遠くの方で、誰かがわあわあ言っている。 ぼんやりとそう考えた途端、体が重くなった。 息をしようとしたら、急に苦しくなって咳き込んだ。ごぼごぼと、液体の絡んだような嫌な咳が出た。 ...続きを見る

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2016/08/20 19:03
地雨 8
せえの、の声と一緒にビニールシートでくるまれた物は、沼の中に投げ込まれた。 びしゃんと汚い泥水を跳ね上げて、それは泥にまみれた。 ...続きを見る

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2016/08/17 16:38
地雨 7
車はほどなく山道に入った。 これを車道と言い張るのか、と言いたくような道だった。 すれ違うことなんて不可能な狭さの上に、ちゃんと整備されていないのかおそらくは穴だらけで、どっこんどっこんと車体が揺れるのだ。 ...続きを見る

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2016/08/16 15:51
地雨 6
……いかん、今日の朝からのことを考えていたら少し眠っていたようだ。缶コーヒー分のカロリーを得たことで、俺の体は当面の危機を脱したと思ったらしい。 俺は小さくうめき、窓の外を見た。 ...続きを見る

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2016/08/15 17:54
地雨 5
高崎の考えを具体的にすると、酔っ払ってよそ様に迷惑をかけた隣人を車で迎えに来た風に見せかけて乗せてしまえ、というものだった。 俺は異論を唱えなかった。他に良さそうな案なんて浮かばなかったからだ。 高崎が車を取りに行ってくる時間は、ひどく長く思えた。 歩いてくるよりもずっと時間はかからないはずなのに、おかしな話だ。だが、事実そう感じたのだ。 携帯の画面に映る時間を、一分置きどころか数十秒置きに俺は何度も何度も確認した。 ...続きを見る

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2016/08/14 20:50
地雨 4
どのぐらい、じっと座っていただろう。 急に鳴らされた部屋のインターホンに、俺はびくっと体を起こした。 足音を立てないように玄関に向かい、ドアのスコープから外をのぞく。 そこにいたのは高崎だった。一人きりで、気まずげに首の後ろ辺りをがりがりかいている。 ...続きを見る

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2016/08/13 18:58
地雨 3
階段を上り終えて部屋に入り、ドアを閉めても尚、警察や救急車を呼ばなきゃ、という発想は出てこなかった。 俺はしばらく、玄関を入ってすぐのフローリングに転がしたそいつをじっと見つめ続けた。 相変わらず、息をしている様子は無い。 やっぱり死んでいる。今更生き返られてもそれはそれで面倒なことになるだろうが。 ...続きを見る

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2016/08/12 17:17
地雨 2
人を殺した。 生まれて初めてのことだった。まあ、まっとうに生きてりゃ普通はこんな経験なんてないだろう。 ただ、俺は積極的に殺しに走ったわけじゃない。長年募らせた恨みでもって、とか、金をもらって仕事で殺したというわけでもない。 あれは事故だった。ぶっ殺してやろうなんて、そんな明確な殺意なんかなかった。うっとうしくて腹立たしくて、どっかへ追いやりたいとは思っていたけれど。 だいいち相手と俺は、初対面だった。 ...続きを見る

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2016/07/23 16:50
地雨 1
夜の十時ともなると、田舎の国道には車が見当たらなくなる。たまに、とんでもない速度でぶっ飛ばしていく奴がいる程度だ。 その国道沿いにあるコンビニの駐車場はだだっ広い。長距離トラックが何台か停められるぐらいに広い。 離れた所に停まっているトラックの運転席をちらりと見たら、ドライバーのおっさんがコンビニで買った弁当を平らげているところだった。焼きそばだかパスタだか知らないが、豪快にずるずるやっている。 そこから一台分離れた所に停まっている別のトラックの運転席からは、靴下をはいた足が見える。ハンド... ...続きを見る

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2016/07/16 20:05
○○○のタルメアスープ
「それでは今日のお料理のコーナーです。先生、よろしくお願いします」 「はい、どうも」 「先生、今日は何を作るんでしょうか」 「今日は寒い時期にぴったりの、芽キャベツを使ったおいしいタルメアスープを作ります」 「まあ、これは楽しみですね!」 ...続きを見る

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2016/06/12 13:59
ゲンカク 9<最終話>
「さあ起きて下さい。母星に到着しましたよ」 ...続きを見る

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2016/05/08 09:59
ゲンカク 8
(あたしは妹を見捨てたわけじゃない、あたしにはどうしようもなかったんだ) ...続きを見る

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2016/05/07 13:31
ゲンカク 7
船体を揺らす風の音にも慣れた頃、姉妹は妙な物音を聞いた。 がんっ、ごんっ、と何かが船体にぶつかる音である。ただし音はその二回きりでやんだが。 ...続きを見る

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2016/05/06 14:03
ゲンカク 6
妹は何か、ふわりと体の浮くような感覚を覚えた。 その直後、ギギギと金属のきしむような音がして、とてつもない轟音と衝撃が襲ってきた。 何かにぶつかっただけとは思えなかった。何せその後は上下左右もわからぬほどに船体の中で転がる羽目になったのだから。 とてつもない轟音と衝撃が、うずくまっていた妹を襲う。 ぶつかっただけとは思えない衝撃だった。何せ、その後は上下左右もわからぬほどに船体の中で転がったのだから。 妹は頭をかばうように抱え込み、なるべく小さく身を丸め、舌をかまないように気をつけるぐ... ...続きを見る

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2016/05/05 16:57
ゲンカク 5
あれから何度かの交代を経て、今は姉が起きて妹が仮眠中だった。 姉妹はしばらくの時間、気まずげに黙りこくって過ごした。 ...続きを見る

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2016/05/04 15:19
ゲンカク 4
「……最初の時より近くまで来てる」 ...続きを見る

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2016/05/03 14:55
ゲンカク 3
明け方の空気は冷たい。 宇宙船の中にいるとはいえ、故障した場所や完全には閉じないドアの隙間から冷気がしみてくる。 モニター上で四分割されたうちの、東側を映している部分。妹はその下から徐々に赤みがかってくる夜空を見つめていた。 ガスマスク越しでなければ、もっと綺麗な色なのだろう。 ――自分達が救急隊を待つ身でなければ、ここが凶暴な住民の惑星でなければ、素直に感動できたのに。 姉と交代して操作席についた妹は、そんなことを考えてちらりと姉に目をやった。 隣の操作席に座った体勢のまま、姉は仮... ...続きを見る

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2016/05/02 18:30
ゲンカク 2
ガスの散布を済ませると、姉妹は食料の在庫の確認をした。 幸いにして酸素の濃度は故郷の星と変わらぬとわかった。飲み水の方も、大気中から水を作ることができる装置を取り付けているため確保できる。 だが食料の方はそうもいかない。無くなったらそれまでだ。特に今回は外へ出て集めに行くわけにもいかない。 救助隊が来るまでどう過ごすかは、食料の在庫にかかっていた。 ...続きを見る

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2016/05/01 15:42
ゲンカク 1
とある惑星に、よそからやってきた宇宙船が不時着した。 様々な惑星を巡っては珍しい草木を集めるという探索用の宇宙船で、乗っているのは二人の姉妹だった。 体のラインを覆い隠すような、宇宙船用の白いスーツに身を包み、オレンジ色の髪を同じぐらいの長さに切りそろえた二人は、顔立ちをのぞけばうり二つだった。 姉の方はつり上がった青い瞳の、気の強そうな顔立ちだった。対して妹はほっそりした面長で、姉と同じ青い目を伏しがちだった。 ...続きを見る

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2016/04/30 16:13
憂鬱な卵
「僕、明日の朝はオムレツが食べたい」 ...続きを見る

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2016/04/09 14:36
はたらく、R氏
その男の名を、仮にRとしよう。 R氏は平凡な勤め人である。ただし現在は残業と休日出勤が重なり、仕事に嫌気がさしている頃である。 今朝も残業の疲れを少々残しながら起床したところだ。 ゴミを捨てに行くのも面倒になった結果、ゴミ袋二つと同居する羽目になった部屋を見渡し、彼は憂鬱そうに前髪をかき上げた。 ...続きを見る

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2016/03/19 15:22
好奇心は何を殺すか
「船員ナンバー4、貴様を惑星調査の任務上の重大な規則違反で拘束し、母星へ送還する」 「ま、待って下さい船長。どうして僕が。身に覚えがありません」 「……発展途上惑星調査法の規則、第三条を言ってみろ」 「は、はい――第三条、発展途上にある文明惑星に対し第一条第二項に基づき高度な文明を持つ惑星からの干渉を禁ずる」 「なぜ禁止だと思う」 「自力で生み出し発展させた文明だけが、維持できるものだからでしょう。高度な文明惑星から干渉を受けた文明は、一足飛びに発展しますが現地住民が自力で維持するのは... ...続きを見る

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2016/03/05 14:15
バベル
僕は、のろのろと屈んで自販機の取り出し口から缶ジュースを取り出した。 屈んだ体を起こしたら、背中のリュックの中で丸い筒が存在を主張した。 母さん特製の栄養ドリンクを入れていた物だ。今は空っぽで、振るとカタカタ音がする。 ああ、嫌でも母さんの顔が脳裏にちらついてくる。 きっと、早く帰ってきて部屋の机にかじりついて、こっちを安心させろって思ってるんだろうな。 ...続きを見る

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2016/02/13 15:00
夜道を歩いていたら、落ちている鍵を見つけた。 個人用のロッカーの鍵みたいだ。キーホルダーかな、先の方へと緑色にグラデーションする細長い赤い石が三つ付いている。 ああ、子供の頃、何かのおまけでこんなの見たことあるな。 確か……と思い出すまま振ってみると、ちりりりん、と風鈴みたいな音がした。心が慰められるような、澄んだきれいな音だ。記憶の通りだ。 ...続きを見る

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2016/02/07 10:59
とある時代の成人の儀式
とある時代の、とある場所。 ぼろ切れのような物を身にまとった人々が寄り添うようにして暮らす、小さな集落があった。 今日は、その集落の真ん中のにある多少開けた場所に、若い男女が集まっていた。 皆、緊張しきった面持ちで、がちがちに固まりながら突っ立っている。近くの者と雑談を交わすような、精神的余裕はない様子である。 ...続きを見る

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2016/01/30 14:38
万病に効く薬草
昔、あるところに、重い病気を患う母と暮らす若者がいた。 若者は母の看病をしながら地元の工房で働いており、彼のことを知る者は誰もが「親孝行な息子」と評した。 単純な称賛ではない。母親の看病と仕事をこなすために酒も煙草もやらず、女と遊ぶ暇もなく、くたびれた恰好でやつれた顔をしている彼への憐れみも半分は含まれていた。 ...続きを見る

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2016/01/09 14:17
憧れた人
ある所に、長年の片思いに苦しんでいる女性がいた。 女性が思いを寄せるのは一つ年上の男性。高校時代に同じ書道部に所属していた先輩である。 男性は、彼女が部内の同級生グループから仲間外れにされていたところを気にかけてくれ、以後何かと声をかけてくれた。 ...続きを見る

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2015/12/19 15:38
この緩やかな坂の途中
今日も夜の七時まで勉強漬けだった。通っている高校が県下一の進学校で、平均点取れなかっただけで部活を禁止にするような所だから仕方ない。 八時過ぎの、学生服よりはサラリーマンやОLの方が目立ってるバスのシートで、私はひたすらぼうっとしていた。 先生が言ってたっけ。「天才は、勉強が苦にならない。辛くても嫌でも耐えられる奴は秀才。それ以外は凡才」って。 じゃあ私は、間違いなく凡才だな。今のところは何とかしのいでるけど、いつかはきっと限界が来て、耐えられなくなるだろうから。 ...続きを見る

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2015/12/05 12:23
可愛いって言われたい!
ある所に、容姿の醜さで悩んでいる女がいた。 女は生まれついて色黒で小柄な体にでっぷりと脂身を乗せており、顔にはやたらとほくろがあった。眉毛も髪も針金のように硬く真っ黒で、子供の頃には絵本の中に出てくる鬼そっくりだとはやされたものである。 それをどうにかしようとダイエットをしたり高い金を払ってエステ通いをしてみたりと色々やったが、多少の肉が取れて眉毛が整い髪が多少すんなりするという程度で終わってしまった。 おそらく総額を聞けば、人は「大金をどぶに捨てた」と言うだろう。 ...続きを見る

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2015/11/28 12:23
小春奇譚 三十七
翌朝、台所に入ると炊事係の虫の数が二匹減っていた。 挨拶がてら声をかけてみて、小春は減ったうちの一匹が、包丁のなくなった前日、一番最後に包丁を使った虫であることを悟った。あの声の虫がいなかったからだ。 考えるまでもない。紅に折檻をされて死んだのだろう。おそらくは足をもがれて、赤い体液をまき散らしながら。 想像すると、気持ちが暗く打ち沈む。 ...続きを見る

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2015/11/14 17:22
小春奇譚 三十六
包丁は結局、見つからなかった。 同じ掃除係の虫達に尋ねてもありかを知る者はおらず、掃除のついでにあちこち見てもらったりもしたが、どこからも包丁は出てこなかった。 それは洗濯係の虫達も同様だったらしく、夕飯を作るために小春が台所に立ち入った時には中の空気がどんよりと重苦しくなっていた。 炊事係の虫達は、この一件による紅からの折檻を相当に恐れた様子だった。本当なら仕事どころではない心境で飯作りに取り掛かったためだろう、夕げの雑炊はいつもより味が格段に落ちたものとなった。 口にしていない小春が... ...続きを見る

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2015/11/07 14:05
小春奇譚 三十五
小さな鍋にこしらえた雑炊と使う器の一式を持ち、小春は台所を出た。できれば漬物も添えたいところだが、虫が漬けた物だと兵五郎が食わず、自分だけ食べるのも悪い気がして、このところ雑炊だけの食事が続いている。味噌漬けぐらいなら小春にも作れるのだが、厨房を借りている上に漬物を作る樽まで貸してくれとまでは言い出せぬ小春であった。 炊事係の虫達は朝飯を作る仕事に戻っていた。鐘の音とともに起きだしてきた虫達が、大部屋を掃除し終えたというのに飯が来ないと騒いだために包丁探しを中断したのだ。 ちらりと目をやれば... ...続きを見る

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2015/10/31 11:49
小春奇譚 三十四
それから二日が過ぎた。 兵五郎は相変わらず一人離れた所ばかりを掃除していた。おまけに飯時でさえ、食い終わったらどこかへ行ってしまう。 飯の後はしばらく休憩していても良いことになっていて、誰がどこで何をしていようと、悪ささえしなければ問いただされることはないのだが……小春としては気になって仕方なかった。 自分から一人になるなんて、周りとの関係がぎくしゃくするばかりではないか、と心配になるのだ。近寄るのは怖いと思うけれど、気がかりで仕方ないというのが正直なところだった。 ...続きを見る

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2015/10/24 15:26
小春奇譚 三十三
兵五郎は次の日から働き始めた。 朝早く、大部屋に出て小春の作った雑炊を食った後、紅に伴われて幸之進に挨拶に行ってからのことである。 小春は兵五郎が戻るのを待ってから、道具がどこにあってどんな風に掃除の仕事を進めているかを教えた。 幸い仕事の飲み込みが早く、ほどなく彼は周りの虫達と同じぐらいに仕事をこなせるようになった。 小春は少しほっとした。 わからないことだらけでしょっちゅう物を尋ねに来たり、仕事がどうにもできなくて手を貸さなければならなかったりしたら、その分近寄らなければならなくな... ...続きを見る

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2015/10/18 13:02
小春奇譚 三十二
「そう、あの子、ここで働いてくれるの」 ...続きを見る

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2015/10/10 16:10
小春奇譚 三十一
小春の作った物なら食べた、と聞いた紅は、小春に少年の食事作りを任せてしまった。 炊事係の虫達はこれで楽になると大いに賛同し、かくして小春には新たな仕事が加わることになった。 ...続きを見る

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2015/10/03 14:04
神様の愛は誰のもの?
じめじめとした真っ暗で埃っぽい場所で、男は目を覚ました。 動こうとして、自身が鎖でパイプ椅子に座った格好で拘束されていることに気付く。 一体何がどうしてこうなったのか、男にはまるで覚えがなかった。 なるべく冷静にと心がけて、覚えている限り最後の記憶をたぐり寄せる。 ...続きを見る

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2015/09/26 13:53
小春奇譚 三十
少年の寝ている部屋の前は、しんと静まり返っていた。 中の者が寝ているか起きているかは当然、ふすま越しではわからない。 「入ってもいいか」と小春はふすまの向こうへ呼びかけた。 ...続きを見る

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2015/09/20 12:34
小春奇譚 二十九
そのやり取りの後、少年は大人しく手当てを受けるようになった。 虫達の間では初め、誰が行くかで少々もめたようだが、少年が大人しくしていたと聞くと以前のように交代で世話をしに行くようになった。 ...続きを見る

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2015/09/13 14:58
献身的な妻
隣国との間にある見晴らしのよい丘に、検問所ができた。 王位継承のごたごたで内戦が始まりそうだ、というきな臭い噂が広まり出してから数か月後のことだった。 戦火がこちら側へと及ぶのは避けたいと、怪しい人物がやってくるのを防ぐために王様が命令して設置させたのだ。 検問所には常に兵士を常駐させて、通る人間を逐一チェックした。武器を持っていないか、出どころのわからない不自然な大金を持っていないか、連れがいるならその連れがどこのどいつかまでも調べた。 もし検問所を通らずに行き来しようとしたなら、発見... ...続きを見る

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2015/09/05 23:30
小春奇譚 二十八
どうやら少年は、泣いている女の相手をしたことがないらしい。 不慣れな様子で「泣くな」「悪かった」とぎこちなく繰り返し、終始おろおろとしていた。 ...続きを見る

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2015/08/29 14:26
小春奇譚 二十七
「小春さんよぉ、早くこいつを落ち着かせてくだせえ、足がもげちまうよお……」 ...続きを見る

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2015/08/22 16:29
小春奇譚 二十六
少年の介抱は、紅の命令で虫達がすることに決まった。 紅が小春の心の傷に気付いてそうしたのかは不明だが、とにかく小春はほっとした。 太兵衛を連想させる要素など持ち合わせぬ容貌の少年相手でも、同じ男というだけで触れたくなかったのだ。 虫達は交代で、布団の中で眠り続ける少年の傷を手当てし、重湯を口に含ませ、体を拭き清めるなどして介抱にいそしんでいた。 ...続きを見る

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2015/08/15 10:38
小春奇譚 二十五
「小春どのは働き者ですなあ」とは、小春に引っ付いてその働きぶりを見ていた蜂の言葉である。 ...続きを見る

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2015/08/08 13:34
小春奇譚 二十四
重苦しい気持ちと共に大部屋を出ると、小春はとぼとぼと掃除道具を取りに向かった。 いつもなら何匹か虫が付いて来て、他愛ない話を振ってくるものだが、今日はそれがない。 いや、今日は、ではなく今後もずっとこの調子かもしれない。 紅との仲違いが解決したと思ったら、また新たな火種が発生してしまった。 この火種は、どうすれば大火にならずに済むのだろう。 ...続きを見る

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2015/08/01 14:23
小春奇譚 二十三
薄っぺらな物体と化した紙切れを片付け、飯を食う大部屋に入った小春は、そろりと中を見回した。 まとめ役の虫を見つけようとしているのだ。 とはいえ、小春はまだ虫の見分けがつかないので、特定の虫を見つけるのは困難を極める。そのため小春が頼りにしているのは聴覚、耳である。 まとめ役の虫の声を拾おうと、耳をすませる。彼はいつも食後に仲間の虫と他愛ない話に興じているため、部屋にいれば確実に見つけられるはずだった。 ...続きを見る

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2015/07/25 13:32
小春奇譚 二十二
「小春さん、おはよう」 ...続きを見る

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2015/07/19 12:51
小春奇譚 二十一
その夜、小春は自室のふすまをわずかばかり開けて蜂の訪れるのを待った。 高貴な身分でもなければ、夜の室内を照らす道具を持つことなど困難な時代である。小春の部屋にも当然、明かり無い。 いつもなら真っ暗闇の部屋だが、今日は満月のため、窓から白い月明かりが差し込んでいる。おかげで室内を見渡せるぐらいには夜目がきいた。 ...続きを見る

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2015/07/11 14:04
小春奇譚 二十
その日から、紅の態度は変わった。 朝、小春が挨拶をしても返してくれず、仕事の報告をする時もこちらに顔を向けずに聞くようになった。 これが何を意味するかわからない小春ではない。紅がこちらを疎んで、積極的ではないにせよ自分の世界から排除にかかっているのだ。 話も聞いてもらえない状態では、行き違いを元に戻すこともかなわない。 小春は何度か勇気を振り絞って声をかけたが、そのたびに無視をされるので、次第に紅と距離を置くようになってしまった。 それで事態は解決できない。わかってはいるのだが、傷つき... ...続きを見る

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2015/07/04 15:25
小春奇譚 十九
今日の朝飯の雑炊は、落とし玉子に菜っ葉入りだった。 手早くかきこんで手を合わせ、何気なく室内を見渡すと、虫達が数匹、鍋の周りに集まっているところだった。虫達が普段食べる方の雑炊が入った鍋である。 初めはお代わりの順番待ちかと思いきや、どうも違うようだった。というのも、茶椀を持っているのがどう見ても一匹だけなのだ。 何をしているのだろう、と小春がぼんやり見ていると、茶碗を持った一匹がこちらを見た。 ...続きを見る

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2015/06/27 14:45
小春奇譚 十八
かんかんかん、と打ち鳴らされる鐘の音で、屋敷で働く者達の一日は始まる。 途端に空気が動き出し、屋敷内に活気があふれていく。真っ先に仕事に取り掛かるのは炊事係だ。もたもたしていると掃除係や洗濯係の仕事が遅れるということで、彼らはてきぱき仕事をしている。 いつもなら虫達が食べる雑炊だけを作っていれば済むのだが、今は小春がいるために二種類作る必要があり、さらに小春の分は日によって具材を変え、漬物も付けてくれるため、その分手間がかかっているようだ。 小春はその点について少なからず申し訳なさを感じて... ...続きを見る

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2015/06/20 12:02
小春奇譚 十七
その後、洗濯、掃除を一通りこなしてみた結果、小春は掃除を任されることになった。 一人ではなく虫達何匹かと一緒になって屋敷中をくまなく掃き清め、布で拭き磨くのだ。 仕事が一つだけなら楽な気もするが、実際は広い屋敷中を掃除して回るのだから大変である。 屋敷はとても広かった。内庭以外で外の景色を見る手段などないのではないかと思えるほど、たくさんの部屋が続いていた。 誰も使っておらず、がらんとした部屋ばかりなのが奇妙だったが、黙って大人しく勤めるのが恩返し、と小春は問いかけるのをやめた。 ...続きを見る

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2015/06/13 18:24
小春奇譚 十六
まずは包丁の腕前を見たいというので、小春は台所に連れて行かれた。 そこでは虫達が使い終わった食器を洗っている真っ最中で、二人が現れると物珍し気にちらちらと見てきた。 黒塗りの木造の台所には大きな釜が二つあり、壁に沿ってかめがずらりと並んでいた。普通ならば台所には外へと出入りできる戸口があるものだが、どういうわけかここには無かった。 ...続きを見る

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2015/06/06 16:49
小春奇譚 十五
小春の足の治療に使われていた薬草は、とても効き目の高い種類のようだった。 おそらく村の者では手が出せないような値段の物だろう。村長でさえ手に入れられるかどうか。 とにかく、小春の足は三日もすると元のように動かせるようになった。 ...続きを見る

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2015/05/30 16:26
小春奇譚 十四
「ああ、紅。お前に手当てを頼んだ子が目を覚ましたんだよ。それで知らせてやりたくてね」 ...続きを見る

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2015/05/23 14:46
小春奇譚 十三
「ああ、ひょっとしてこの頭が気になるのかい」 ...続きを見る

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2015/05/16 10:45
小春奇譚 十二
蜂が物を言う場面に出くわしたことのある人間は、果たして世の中に何人いることだろうか。まず見つかるまい。 もしもそんな経験をしたとしても、当人はおそらく自身の精神状態を危ぶみ、起きた事象について否定から入ることだろう。 また聞かされた方とて同じこと。まず信じないだろうし、主張されればされるほど相手を異常者とみなすに違いない。 ...続きを見る

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2015/05/09 11:28
小春奇譚 十一
ふと、異様なまでの息苦しさを小春は感じた。 この感覚は何だろうといぶかしみながら目を開けると、何故か真っ暗闇の中にいた。確かに自分は茂みの中にいたはずなのに。 一体これは何事か。戸惑いながら立ち上がり、小春はそうっと辺りを見回した。 ……やはり、どこを見ても真っ暗闇が広がるばかりである。 ...続きを見る

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2015/05/03 10:45
小春奇譚 十
「小春、待てよ、待てってんだよ!」 ...続きを見る

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2015/04/25 14:49
小春奇譚 九
小春が異変に気付いたのは、格子の向こうから差し込む夕暮れの光が完全に暗い色に塗りつぶされた頃のことだった。 風の音か鳥の泣き声ぐらいしか聞こえない空間に、ざしざしと、わらじで土を踏む音が聞こえてきたのだ。 ...続きを見る

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2015/04/18 10:22
小春奇譚 八
社の前には石段がある。 淵は欠け端は土に埋もれ、あるいは崩れしてはいるものの、一応石段としての役割は務まる。 ここまで来れば後はここを階段を登るだけだ。 輿の担ぎ役の男達は、これで辛い役目からも解放されると最後のひと踏ん張りを見せた。 赤らんだ顔で息を上げながら「えっほ、えっほ」と声を掛け合い、輿を運んでいく。生命力を感じさせる、力強い姿だった。 ...続きを見る

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2015/04/11 13:17
小春奇譚 七
山の中にある神社までの道は、決して平坦なものではなかった。 ただでさえきつい登り道。さらに天候の悪さからあちこちにぬかるみが出来ていて、歩きにくいことこの上ない状態だった。 一応、生け贄を差し出すことが決まった際に村長に命じられた者が鉈や鎌で草刈りをし、開いた穴を土や石でふさいで道を切り開きはしたが、歩きやすさには繋がらなかったようである。 そんな道を、ましてや輿を担いで行くのはどれほど難儀なことだろうか。 ...続きを見る

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2015/04/04 13:39
小春奇譚 六
次の日、小春を生け贄として捧げるための準備が、慌ただしく始まった。 生まれて以来何度目かの湯浴みをし、白い長襦袢に赤い袴、そして真っ白な内掛けをかけ、伸び放題だった髪をていねいに整えて結わえられ、唇に紅を乗 ...続きを見る

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2015/03/28 15:37
小春奇譚 五
菊子に代わって小春が生け贄になるという知らせを聞いた村長は、さして反対も意見もせず、あっさり了承した。 迎えとして使いの者が来ると、小春はそいつと菊子の父親によって家から連れ出された。 小春の祖母は蒼白になりながら、「人でなし」と何度もつぶやいていたが、その言葉は終いには不明瞭なものになっていた。 低く、小さな声で何やらぶつぶつと唱えながら、小春の祖母は見送りをした。 ...続きを見る

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2015/03/21 15:07
小春奇譚 四
くじ引きによる生け贄の選定が済むと、あとは各々帰ることとなった。 菊子の父親は微動だにしないまま、ぼうっと突っ立ったままだった。 ...続きを見る

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2015/03/14 17:19
小春奇譚 三
村長の家は村で一番の立派な家である。 太い柱と高い天井、そして腐った部分など見当たらぬ茅葺きの屋根。庭には村で唯一の蔵まである。 とはいえこんな辺鄙な村では、大した物など入っていないだろうが。 その座敷に、村中の娘が集められた。 自分たちの家とは違い、広々とした室内の床には一面に畳が敷き詰められており、掛け軸まである。 そんなところへ通されたのだから、当然、娘達は雑談に興じる気も起きず、緊張した面持ちで座っていた。 ...続きを見る

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2015/03/07 18:11
小春奇譚 二
さて、件の小春である。 ...続きを見る

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2015/02/28 19:32
小春奇譚 一
昔、とある山のふもとに小さな村があった。 稲が育ちにくい土壌のために決して豊かとは言えない村で、人々は細々と暮らしていた。 そんな村に、ある年、異変が起きた。常になく寒い春で、雪解けが遅かったのだ。 皆どうしたことかと首をかしげ、中には早くも嫌な予感を抱く者もいた。 予感とは、「今年の作物の出来は良くない」というものである。やがてその予感は的中することとなった。 夏になっても吹く風の冷たさは相変わらずで、毎年じりじりと照り付けていた太陽も、灰色の分厚い雲の向こうに隠れたままだった。 ... ...続きを見る

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2015/02/15 19:03
不老不死になった男
ある王国にて、一人の男が悪魔を呼び出すべく魔方陣を描き、儀式を行った。 現れたのは、黒い体に黒い羽を持ち、頭に二本の角を生やしたまさしく悪魔と呼ぶにふさわしい外見の生物だった。 ...続きを見る

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2015/02/11 13:14
サイハテの人
歩く。 ただひたすら、前だけを見つめて、僕は歩く。 ...続きを見る

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2015/01/31 17:22
芋虫ころり
ある日、森の中で芋虫が死んだ。 彼は成虫になるためにこしらえた繭の中に閉じこもったきり、出てこなかった。 あまりに長いこと繭の中にいるものだから、心配した仲間が様子を見に来て事態が発覚したのである。 ...続きを見る

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2015/01/24 13:37
おばあちゃまの日
今日は「おばあちゃまの日」だ。 みんなでおばあちゃまに会いに行く、っていう日。 だから今日は、朝からお母さんとお姉ちゃん達がバタバタしてる。 ...続きを見る

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2015/01/17 14:18
真贋判定之為之書
ふと目を覚ますと、もう昼近くだった。 起き上がろうと身じろぎして、俺は猛烈なだるさを感じた。 そういえば昨日は飲み会だったんだ。うわあ、頭が重い。胃の底がじくじくと痛い。次の日が休みだからって、ちょっと無理したかな。 取りえず胃薬飲まないと……そう思って布団からはい出した俺の手が、何か四角い物に当たった。 見るとそれは、赤っぽい皮で装丁された本だった。 ずいぶん古い本で、装丁はあちこち剥がれてボロボロだし、中の紙は茶色く変色している。 表紙にはタイトルも作者名も無い。 ...続きを見る

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2015/01/03 15:30
私の愛する彼
私は今、彼のことで悩んでいます。 彼とは付き合い出してから半年ぐらいになりますが、つい最近、とんでもない秘密が発覚したのです。 二股をかけていたとか、実は結婚をしていたとか、同性の方が好きだったとか、そんなものではありません。 それらが些細な問題にすら思えるほど、彼の秘密は衝撃的でした。 ...続きを見る

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2014/12/28 14:59
slip one's mind
深夜。残業をどうにか終わらせて家に帰る途中で、変な奴に出くわした。 男とも女ともつかない、チビなくせに妙に太った吊りズボン姿の奴だ。 ...続きを見る

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2014/12/20 16:17
一人ぼっちのお姫様
そのお姫様は、きれいなドレスを着せられて、一日の大半を部屋の中で過ごしていた。 部屋の中にいる限り、不自由なことは何一つない。 欲しい物や用事がある時は、テーブルの上に置かれた小さなベルを鳴らす。 そうすれば、いつでも彼女専属の使用人が現れる。あとは何でもそいつに言いつければ済むのだ。 たとえ真夜中だろうと、ひっきりなしだろうと、呼ばれれば使用人はすぐに駆け付けた。 ...続きを見る

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2014/12/13 14:56
悪魔ハ実在スルカ?
夕焼けの迫る時間に、一人の男の子が道路端のブロックに座り込んでシクシクと泣いていた。 人通りはなく、男の子が泣いている様子を気にする大人はいない。 ...続きを見る

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2014/12/06 14:50
実家へGO!
「あちらは面会を希望しています。とにかく、もう一度よく話し合いをなさった方が」 「絶対に嫌です。私はもう、あの人には愛想が尽きたんです」 「面会を拒否する、ということですか」 「ええ。あの人の顔なんてもう見たくありませんから」 ...続きを見る

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2014/11/15 14:40
無理解なコンタクト
ある日、地球に異星からの宇宙船がやって来た。 「すわ侵略か」と色めき立つ地球人の前に姿を現した異星人は、まず初めに侵略目的ではないこと、敵意もないことを伝えてきた。 それならばと地球側は生物に影響を及ぼさないため砂漠地帯への着陸を提案し、彼らもそれを承知した。 こうして地球に降り立った宇宙船から姿を現した異星人は、地球の人間とほぼ変わらぬ姿だった。 ただし顔つきはとても神経質そうで、愛想笑いすら浮かべなかった。 「これは機嫌を損ねたら厄介そうだぞ」と誰もが思ったほどである。 ...続きを見る

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2014/10/25 14:14
この世はあたしが回してる
あたしには特殊な能力がある。 自分の好きなように時間を進められる、という能力だ。 ...続きを見る

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2014/10/18 14:49
お姉さんとの思い出
お姉さんと出会った時のことを、今でもはっきり覚えています。 私達は、村の外にある森の中で出会いました。 ...続きを見る

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2014/10/11 13:45
不運な男
あるところに、不運続きの男がいた。 赤ん坊の頃に両親を事故で失い、祖父母の手で育つも高校入学を前に祖父母も相次いで他界してしまい、ひもじい思いをしながら何とか親類の援助で高校だけは卒業できたと思えば就職先が半年で倒産し、再就職した先はワンマン社長による激務とパワハラが横行する所で、体を壊し過労で倒れたことでやっと離職できたという始末……とまあ、つらつらと不運の続いた半生の持ち主である。 ...続きを見る

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2014/10/04 13:30
カスタマイズ・ミリー
帰ったら、リビングにいたママから呼び出された。 何だろう。お説教だったらいやだなあ。 渋々向かうと、ソファに座るママのそばに、へんてこりんな物体が突っ立っていた。 見た目は、大昔に作られていたというブリキのおもちゃのロボットそのものだ。 ドラム化みたいな体に目らしき四角いランプのついた頭と鉄の棒をつなぎ合わせたような腕と足がついていて、Cの字の手がキュイキュイと音を立てて回ってる。 ...続きを見る

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2014/09/27 13:33
空白期間
その昔、地球上にはなんと六十億もの人間が存在していたそうだ。当然ながら地球が養いきれる数ではなく、大半は貧困層だったらしいが。 それだけいたら、さぞ狭苦しかっただろう。 ……今やぐっとその数を減らした時代に生きる僕には、想像もつかない世界だ。 ...続きを見る

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2014/09/20 13:43
隠し事
昔、ある王国に一人の理髪師がいた。 理髪師は腕利きとの評判で、ついに王様の御用達となった。 王様直々のご指名だったのだから、大変名誉なことである。 ...続きを見る

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2014/09/13 12:57
Q氏の絵
その男の名を、仮にQとしよう。 Q氏は画家を目指す男である。 しかし、Q氏が今までに描いた作品は一つも賞を取ったことがない。 絵画展やコンクールなど、作品発表の場には片っ端から応募しているのだが、いずれも落選してばかりなのだ。 身を削る思いで描いた力作も、これぞと思った自信作も、全て駄目だった。 ...続きを見る

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2014/09/06 11:24
人形の歌
昔、ある小さな村に一人の男がいた。 男は独り身で、家の裏手にある畑を耕して細々と暮らしていた。 ...続きを見る

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2014/08/30 13:39
太郎君現る
古めかしいデザインのセーラー服を着たお下げの花子さんが、「転校生の花園サツキです」と朝の教室で自己紹介をしてから数週間後、衣替えの時期が来た。 「通っていたところが廃校になった」と転校の理由を説明した花子さん……いや花園さんは、この頃にはすっかり良好な人間関係を築いていた。 花子さんなのに別の名前を名乗るなんて、人間からしたら変かもしれないけど、他の花子さんと区別したり、人間に混じって生活するにはこの方が便利なのだ。 私だってクラスじゃ花子なんて名乗ってないしな。 ...続きを見る

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2014/08/23 11:19
花子さん現る
昨日、学校の女子トイレに花子さんが出たという。 放課後、部活の帰りにトイレに寄った女の子が見たという。 三番目の個室のドアを開けたら、うちの学校のとは明らかに違う古めかしいセーラー服を着たお下げの女の子がいて、すうっと消えたそうだ。 ...続きを見る

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2014/08/16 12:43
君と語れば
その男の名を、仮にPとしよう。 P氏は幼いころから動物好きな男である。 好きなだけあってさまざまな動物の名前や生態に詳しいのだが、だからといってペットを飼ったりはしていない。 残念ながら住んでいるのはペット不可のアパートなのだ。 そのため、P氏は日々公園などに出かけては野良猫や野鳥を眺めて過ごしていた。 無論、勝手にえさをやったりはしない。 それでも野良猫の場合は近寄ってきたりすることもあり、少々なでてやる程度の触れ合いは持てたので、P氏はそれで我慢していた。 ...続きを見る

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2014/08/09 10:41
醜いマガモの子
昔、ある湖のほとりに卵を抱えたマガモの母親がいた。 やがて卵は無事に孵ったのだが、そのうちの一番最後に孵った卵からは、何とも言えない醜いものが生まれた。 ...続きを見る

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2014/08/02 10:44
エンカウント
地球から、別の惑星に向けて宇宙船が旅立った。 半月ほどかけて荷物を運搬するための宇宙船で、積み荷は緑地化を進めるための植物の種子だった。 もう何度も行き来した航路であり、作業も慣れたものである。 宇宙船の操縦も航路を指定すれば機械がやってくれるし、向こうに着くまではほとんど仕事もない。 つまりよほどのことがない限り、持ち場で待機しているだけなのだ。 そのため乗組員の誰もが、いつもの仕事をこなして帰るだけの単調な旅になると予想していた。 船長などは自分の船室に趣味である盆栽を持ち込み、... ...続きを見る

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2014/07/26 12:42
懐かしの我が家
ある男が船旅に出た。 しかし不運なことに乗った船が嵐に遭って難破してしまい、無人島に流れ着いた。 目が覚めた後、男は他の乗客が流れ着いていないかと探してみたが、結局見つけられなかった。 男は無人島で一人、救助を待つ身となった。 幸い、島にはきれいな水の湧く泉があり、時間はかかったものの火を起こすこともできたので寒さから身を守ることもできた。 食べられる木の実こそなかったが、流れ着く海藻や貝を拾って食料にしながら、男は船の通りかかるのを待ち続けた。 ...続きを見る

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2014/07/19 10:52
あの時間をもう一度
男は仕事を終えてマンションの部屋に帰宅すると、明かりのスイッチを押して中へと進んだ。 男はもうすぐ四十になろうかという年だったが、妻子も恋人もいない生活をしていた。 十年以上前に経験した苦しみが、彼に新たな恋をさせないのである。 ...続きを見る

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2014/02/01 15:02
現場不在証明
「そんでよお、俺、そのバッグのために必死こいてバイトしたわけよ。たかがバッグなのに平気で百万とか超えてんたぜ? もう馬鹿みてえ」 ...続きを見る

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2014/01/25 16:34
侵略者現る
ある日、地球に宇宙船の集団が接近してきた。 ...続きを見る

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2014/01/18 21:14
飼育と工夫
四方を白い壁に囲まれた室内に、優雅なクラシック音楽が流れている。 部屋の中にはベッドとテーブルと椅子、そしてスクリーンが垂れ下がっている。 それと、トイレやシャワールームに続くドアがあるだけ。 これがこの部屋にある物の全てだ。 スクリーンに映されているのは、チョウチョの舞うきれいな花畑の映像。 あと一時間もすれば、また違う映像に切り替わるだろう。 音楽は、あと数分ぐらいで別の曲に変わるはずだ。 ...続きを見る

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2014/01/11 21:53
O氏の犬はもう吠えない
その男の名を、仮にOとしよう。 O氏は犬を飼う男である。 今飼っているのは、数年前に雨の降る日にケガをして河川敷で震えていたところを拾った犬である。 当然O氏にとっては可愛い相棒だが、この犬には少々困った癖があった。 O氏以外の人間が近付くと、やたらめったら吠えまくるのだ。 捨てられる前に人間から何か恐ろしい目にでもあわされたのか、他人が離れるまで吠え続けている。 声が枯れても、痛々しいかすれ声で延々と吠える。 まるっきり威嚇だった。 色々としつけを施してみたりしたが、しばらくす... ...続きを見る

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2014/01/04 16:13
毛布の下で
今日は寒い日。雪の降る日。 私は毛布の下で、考え事。 ...続きを見る

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2013/12/28 18:23
Dear ジュリー 7
騒ぎの起きた日から時間が流れて、寒い日の続く季節になりました。 最初の頃こそ様々に飛び交った噂も話題に上らなくなり、お店も以前の通りに営業しています。 毎朝の掃除も相変わらずです。 今日は寒さから身を守るためにマフラーを巻いてカーディガンを羽織って、私はお店の前に出ました。 この時期は落ち葉が増えるので、少しだけ掃除に時間がかかります。 掃除に取り掛かる前、私は手に息を吐きかけました。 吐いた息は真っ白くほわほわと湯気のように立ち上ると、空中に消えていきました。 ...続きを見る

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2013/12/21 16:02
Dear ジュリー 6
立ち話じゃ済まない話だろうから、とおばさんの指示で「臨時休業」の札をお店の入り口にかけて、三人で居間の小さなテーブルを囲んで。 ...続きを見る

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2013/12/14 21:11
Dear ジュリー 5
アレクサンドロさんは、配達屋さんに呼ばれて現れた白衣の人達に病院へと連れて行かれました。 集まっていた人達はそれを見届けた後、ひそひそ話をしながら散らばりました。 ...続きを見る

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2013/12/07 20:19
Dear ジュリー 4
私は、おばさんに全ての事情を話しました。 アレクサンドロさんとお店の前で話すようになっていたことも、会う度にカフェに行こうと言われていたことも、全て。 話を聞いたおばさんは「女の子を待ちぼうけさせるなんて!」とアレクサンドロさんのことを怒りました。 ...続きを見る

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2013/11/30 20:05
Dear ジュリー 3
よそ行きのワンピースを着て、ていねいにブラシをかけた髪を赤いリボンでまとめて、おばさんからエナメルの靴を借りて。 ...続きを見る

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2013/11/23 13:59
Dear ジュリー 2
次の日、私は悩みながらお店の手伝いをしました。 朝の掃除の時にアレクサンドロさんが来たら、もう一度「行けない」と言うつもりでいたのですが、今日に限って彼が来なかったのです。 私はアレクサンドロさんの住所を知りません。 こうなっては、どうにか都合をつけて行くか、完全に無視を決め込んで一日を終えるかの、どちらかです。 でも、おばさんに向かって「カフェに行くので手伝いを休ませて下さい」とは言いにく、アレクサンドロさんが待っていると思うと無視なんて残酷な仕打ちもできません。 どちらを選ぶべきか... ...続きを見る

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2013/11/16 13:37
Dear ジュリー 1
私が六歳の時に、戦争が起きました。 誰が次の王様になるか、それを決めるために八年もの間、二人の王子がそれぞれ軍隊を率いて争ったのです。 私の父は兵士として戦場へ連れて行かれ、そのまま戻ってきませんでした。 母は私を連れて戦火の中を必死に逃げ、戦後間もなく病気で死にました。 一人ぼっちになった私は、親類のおばさんのところへ引き取られました。 おばさんもまた、戦争で旦那さんと三人の息子を亡くしていました。 ...続きを見る

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2013/11/10 14:10
明け方の戯れ言
ふ、と目が覚めた。 薄暗い中で見回すと、自分が何だか見覚えの無い道にいることに気付いた。 この空の色からすると、今の時間は明け方ってところか。 一体何があって俺はここにいるんだか……ああ、そういや、一人で飲みにいった覚えがあるな。 酔っ払って帰り道で寝ちまったのか。 はてさてここは家から見てどの辺りだろう。 確認しようと思って起き上がってみると、俺のそばに、ぼんやりした奴が立っていた。 見た目としてはまあ、気弱そうなくたびれた五十代手前のサラリーマンだ。 ...続きを見る

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2013/11/02 23:47
虫の神様を助けた私
前略、田舎の実家にいるお父さん、お母さん。 私、虫の神様を助けました。 ……どう見てもゴキブリの親戚みたいな昆虫の被り物をした女なんですが、本人がそう言い張るのでそうしておきます。 ヘタに突っ込み入れてしつこく絡まれても嫌なんで。 ...続きを見る

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2013/10/26 17:05
踊り子の夢
昔、とある小さな村に、踊ることの大好きな女がいました。 女は成長とともに、踊りで生計を立てる踊り子になりたいと願うようになりました。 体のしなやかさ、きれのある身のこなし、そして整った顔立ちという、踊り子として愛されるに必要なもの全てを、彼女は持っていました。 女は心配する両親を説き伏せ、村を出てとある劇団に所属することとなったのです。 ...続きを見る

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2013/10/19 14:07
友達ゲーム
「友達ゲーム!」 ...続きを見る

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2013/10/12 14:52
カルネ村にて エピローグ2
「わたしはハルニレの娘なの」 ...続きを見る

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2013/10/05 11:56
カルネ村にて エピローグ1
その後、カレンはリーザと共に家へ戻った。 クララはいつの間にか姿を消していて、どこを探しても見つからなかった。 夕暮れの色が濃くなる中、このまま村にとどまるわけにはいかない、と決断したのだ。 ...続きを見る

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2013/09/28 14:50
カルネ村にて 29
――これでようやく、終わったのだ。 カレンは重苦しい気持ちを吐き出すようにして、ふうっと大きく息をした。 それでもまだ、胸の奥には苦々しいものが残っていたが。 振り向くと、しゃくり上げてうずくまるリーザの姿が目に付いた。 ...続きを見る

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2013/09/21 15:26
カルネ村にて 28
「あれ、は……」 ...続きを見る

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2013/09/14 20:34
カルネ村にて 27
「ふふふ」 ...続きを見る

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2013/09/07 20:02
カルネ村にて 26
――お願い、ギール、もうやめて―― ...続きを見る

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2013/08/31 21:04
カルネ村にて 25
「お前は誰だ……」 ...続きを見る

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2013/08/24 19:19
カルネ村にて 24
門の向こう側は、閑散としていた。 雑草だらけの地面の上に、木の板でできた十字架がまばらに立ち並んでいる。 十字架の中で古い物は腐りかけ、斜めになったり倒れたりしている。 カレンが昔、両親とお参りした墓もあるはずだが、もう昔のことでどの墓だったか思い出せない。 その中で目立つのが、ぽつんと花束の置かれた二つの十字架だ。 そこは夫婦の墓なのか、二つの十字架は寄り添うように並んでいる。 だいぶ前に置かれた物らしく枯れてはいるが、他の墓前には何も無いために目立っている。 ...続きを見る

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2013/08/17 10:11
カルネ村にて 23
墓場の入り口にある門は、カレンの身長を超える高さの、重たげな鉄製の造りだった。 両開きの鉄扉には取っ手があり、南京錠付きの鎖がぐるぐる巻きに巻かれている。 さらに墓場を同じ高さの鉄柵がぐるりと取り囲み、飛び越えることもよじ登ることもできそうになかった。 小さな村の墓場にしては手の込んだ囲いようである。 ...続きを見る

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2013/08/10 19:33
カルネ村にて 22
「な……何やってるのよ!」 ...続きを見る

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2013/08/03 12:40
カルネ村にて 21
開けた袋の中には、紙にくるまれた細長い物体が一つあるだけだった。 カレンはその紙を指で広げ、中にあるものをのぞいて見た。 ...続きを見る

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2013/07/27 14:12
カルネ村にて 20
墓場に向かう途中には、リーザを見失った家がある。 カレンが赤ん坊の頃に越してきた中年夫婦の家だ。 村がこんな風になった事情を知った今となっては、夫婦に対する見方も変わる。 越して来なければ事件に巻き込まれずに済んだろうに、と哀れむより他になかった。 ...続きを見る

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2013/07/20 14:59
カルネ村にて 19
村長の家を出ると、庭のあちらこちらで幼虫が体をくねらせながらこちらを目指しているのが見えた。 動きこそのろいが、集団でうねうねと動く様は不気味だ。 ...続きを見る

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2013/07/13 15:59
カルネ村にて 18
『なんということだ。  息子よ、お前が人殺しになるとは思わなかった。  お前が、こんな田舎の小さな村の、多少見た目と気立てが良いだけのハンナにそれほど執着していたとは。  だが、息子に殺されたハンナのことを気の毒に思うことはできない。  彼女が息子の告白を断ったことが、全く理解できないからだ。  村長の息子といえば、将来の村長だぞ。  好きな男がいたというが、そいつより息子の方が良い暮らしをさせてくれるに決まっているというのに。    何にせよ、私は息子の将来を守らなくてはならな... ...続きを見る

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2013/07/06 16:17
カルネ村にて 17
リーザは二人を部屋に入れると、布をさらに深くかぶり直し、すとんとベッドに腰かけた。 彼女の顔は左半分が完全に隠れており、すき間から見られることさえ恐れているらしく、常に左手ですそをつかんでいた。 その布に、カレンは見覚えがあった。 どこかだ見たはずだ、と思い返してみて、カレンは「あ」と声を上げた。 ...続きを見る

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2013/06/29 14:20
カルネ村にて 16
村長の家に入ると、クララはカレンをある一室に招いた。 そこは村長の仕事場だった。 仕事用の大きな机と帳簿の並んだ棚などがあるばかりで、生活感を漂わせるような物は何もない。 ...続きを見る

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2013/06/22 17:43
カルネ村にて 15
その後、カレンが泣き止むまで、クララはずっとそばにいてくれた。 何も言わずカレンの背中をゆっくりとさすり、こちらが泣き止むのをひたすら待ってくれたのだ。 泣いている時に誰かがそばにいると、落ち着くのも早いものだ。 おかげで、カレンはどうにかしゃくり上げずに呼吸が出来るようになった。 ...続きを見る

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2013/06/15 12:45
カルネ村にて 14
全く予想できない事態、というわけではない。 村全体という規模で異常が起きているのだ。 この状況下で、探していた相手が見つかる上に何事もなく無事だったという奇跡が、果たしてどれほどの割合で起こりうるだろう。 ...続きを見る

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2013/06/08 22:12
カルネ村にて 13
納屋の戸は開けっ放しになっていた。 カレンはその中へ駆け込むと、忙しなく視線をさまよわせた。 入り口から見る限り、左右の壁にかかった農具や床に置かれた何かの道具が目につくばかりで、人の姿は見当たらない。 かなりほこりっぽいことから、だいぶ人の出入りがないことがうかがえる。 明り取りの窓から日が差し込んでいるため、今は物を見ることに差し支えないが、夜は明かりを持参しないと何も見えないだろう。 ...続きを見る

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2013/06/01 19:06
カルネ村にて 12
「それで、もう一度話を繰り返すけれど」 ...続きを見る

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2013/05/25 16:51
カルネ村にて 11
二人はその後も家々を調べて回った。 どの家にも人の姿はなく、中を荒らされた形跡もなかった。 ぱっと見ただけならば、ただ単に留守にしているだけとも思えそうなほどだ。 しかし、料理の残りが腐ってすえた匂いを放ち、鍋の中の残り物に虫が湧き、傷んだ食材の上で小さな羽虫達が飛び回る様を見れば、やはり異常が起きているのだなと実感する。 ...続きを見る

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2013/05/18 20:21
カルネ村にて 10
父親の姿、あるいは父親に関する手がかりを求め、カレンは片っ端から家々を見て回ることにした。 手始めに探ることにしたのは、一番近い家。つい今しがた、人を見失った家である。 この家に住んでいるのは確か、中年の夫婦だ。 そう交流があるわけではないので詳しく知らないが、夫の方は元々この村の出身で、カレンが赤ん坊の頃に妻を連れて戻ってきたらしい。 この村では一番若い夫婦だった。 ...続きを見る

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2013/05/11 21:02
カルネ村にて 9
(悩んでても、仕方ない) ...続きを見る

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2013/05/04 14:27
カルネ村にて 8
カルネ村の入り口には、ロープと木でできた橋がかかっている。 その下を深くて流れの速い川が流れていて、橋ができる前は向こう岸まで渡されたロープを頼りに歩いて川を越えたという。 冬の間と雨で増水した時は川に入らないのが鉄則だったが、急病人を医者の元へ運ぶ時などのやむを得ない事情がある場合は死の危険を侵して川を越えた。 そうして幾人もの命が落とされた末に、ついに村人が金を出し合って橋を作るに至ったのだ。 もしも、村がもっと大規模で人の行き来も多ければ、頑丈な石造りの橋にしようという意見も出ただ... ...続きを見る

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2013/04/27 21:51
カルネ村にて 7
カルネ村に続く道はわき道など一つもなく、ひたすら前進していれば間違いなくたどり着ける。 要するに迷う心配はないのだ。わざわざ道を外れでもしない限りは。 ...続きを見る

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2013/04/20 20:44
カルネ村にて 6
朝食を済ませると、カレンは簡単な荷造りをした。 特に何事もないとは思うが、念のため応急処置に使える物を持っていくべきと考えたのだ。 傷薬や包帯、ハンカチ、簡単な裁縫道具を肩掛けカバンに突っ込み、玄関のドアを開ける。 玄関の外には母親とクララがいて、他愛もない世間話をしていた。 ...続きを見る

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2013/04/13 21:17
カルネ村にて 5
「ほら起きな。いつまで寝てるんだいこの子ったら」 ...続きを見る

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2013/04/06 13:11
カルネ村にて 4
冷えた空気の感触に、カレンは目を覚ました。 窓から差し込む淡い月明かり。夜の静寂に虫の鳴き声が響いている。 ...続きを見る

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2013/03/30 16:33
カルネ村にて 3
父親が不在になってから三ヶ月半の時を経て、この家の食卓に並ぶ椅子は全員分が使われることとなった。 カレンと少女が向かい合わせに座り、カレンから見て右手の横に母親が座る。 今日の夕食は、野菜のスープにパンだ。肉類は一切ない。 「大した物はないけど」と言っていた母親の言葉は、謙遜でもなんでもないのである。 ...続きを見る

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2013/03/23 15:28
カルネ村にて 2
母親は、その美しい少女の申し出をあっさり了承した。 ...続きを見る

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2013/03/16 20:12
カルネ村にて 1
時刻はもう夕暮れであった。 一軒の家の前に座った娘は、ぼんやりとした視線を前方に向け、ため息をついた。 肩の上までの長さの金褐色の髪にぱっちりとした緑の瞳の、十六、七ほどの娘である。 ...続きを見る

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2013/03/09 23:04
カルネ村にて プロローグ
カルネ村のはずれにある絞首台に、男が立たされた。 涙と鼻水が乾いて張り付き、殴られて出来たらしいあざの目立つ、げっそりとした土気色の顔。 唇は乾いてひび割れ、目の下に青黒いくまが浮いている。 それでもまだ抵抗する気力は萎えていないと見え、男は肩まで伸びた金色の髪を振り乱し、後ろ手に縛られた手を解こうともがいていた。 ...続きを見る

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2013/03/03 11:08
ふくれっ面の彼女
……あのね。 いいかげん、本気でうっとうしいから。 朝から放課後まで人の前ウロウロウロウロウロウロして、いったい何だっていうのよ? ...続きを見る

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2013/02/14 12:33
魔女の住まう森 エピローグ
とある小さな村で、早朝に火事が起きた。 焼けた家は以前、老人と孫二人の三人が暮らしていたのだが、今は老人が一人で住んでいた。 村人達が消火にあたったものの家は全焼し、老人は無残に焼け焦げた死体となって見つかった。 ...続きを見る

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2013/02/09 14:39
魔女の住まう森 25
気がつくとピートは、全く別の場所に立っていた。 夜明け間際の薄青い空。立ち込める朝もやが、辺りをぼかしている。 ...続きを見る

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2013/02/02 17:10
魔女の住まう森 24
通路を抜けて台所に出た後、ピートは裏庭に向かうことにした。 ぬかるんだ地面と、苦痛にあえぐ人間を思わせる形の木々が並んでいた場所である。 ...続きを見る

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2013/01/26 17:28
魔女の住まう森 23
ここへ来る時に通ったドアは、老婆の死と共に再び現われた。 ピートはメグと手をつなぎ、ドアをくぐって淡いオレンジ色の通路に足を踏み入れる。 メグの手を握る力は、逃げ回っていた時とは違って優しく軽いものだ。 その後ろを、クックがついて来る。 ...続きを見る

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2013/01/19 16:58
魔女の住まう森 22
たいまつを片手に、全力で駆ける。 ピートの頭には、たいまつで老婆を攻撃するという考え以外存在しない。 先ほどマッチを向けた時のような、言葉と共に退けるという甘っちょろいやり方を選ぶ気はない。 老婆は完全にこちらを殺すつもりでいるのだ。 ならばこちらもそれ相応の行動を取らなければ。 ――やらなければやられる。 逃げ出すことも説得もかなわない状況なら、力ずくで道を切り開くしかない。 ...続きを見る

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2013/01/12 13:17
魔女の住まう森 21
ピートは、転げるようにして巨木の根元に駆け込んだ。 老婆のいる方から見て、巨木を盾にした形である。 ...続きを見る

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2013/01/05 19:55
魔女の住まう森 20
草むらの中はすき間がなく、己の体でもって道を切り開くしかなかった。 ただでさえ歩きにくいというのに、びっしりと生えたとげが行く手を阻む。 一歩踏み込むごとに体や顔に傷がつき、苦しめる。 できるだけ身をかがめて歩きながら、ピートは草むらに強く拒まれているような、そんな気持ちになった。 ...続きを見る

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2012/12/29 16:27
魔女の住まう森 19
「この森はあたしのものだ。あたしの場所だ。どうして誰かに明け渡さないといけないんだ……居候させてやるならまだしも、どうしてあたしがいなくならなきゃいけないんだ」 ...続きを見る

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2012/12/22 15:05
魔女の住まう森 18
食べ物に困らない、凍えて暮らすこともないというのは願ってもないことだ。 問題は、これ以上年を取らないという点だろうか。 つまり大人になれない、ということ。 ...続きを見る

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2012/12/15 12:55
魔女の住まう森 17
「クック……」 ...続きを見る

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2012/12/08 17:03
魔女の住まう森 16
泣き出したメグの背中をぽんぽんと軽く叩きながら、ピートはうつむいた。 ひどく疲れを感じる。 気を緩めるわけにはいかない状況だが、物を考えるのがおっくうでたまらなかった。 ...続きを見る

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2012/12/01 20:07
魔女の住まう森 15
扉の向こうに待ち受けていた風景に、ピートは目を疑った。 現実のこととは思えず、しばし茫然と見つめた後、おもむろに目をこすり、もう一度見る。 だがやはり、風景は変わらない。 ...続きを見る

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2012/11/24 17:13
魔女の住まう森 14
家の中に、老婆の姿はなかった。 座っていた安楽椅子は空っぽで、ひざにかけていたブランケットが無造作に置かれているのみ。 台所にも姿はない。 一体どこへ行ったのだろう。 ...続きを見る

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2012/11/17 17:20
魔女の住まう森 13
不意に、体が自由になった。 ピートは飛び起き、体にまとわりついている枯れ枝を振り払いにかかった。 それは、はた目には「錯乱」と映るような動きだった。 ...続きを見る

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2012/11/10 20:29
魔女の住まう森 12
おぞ気が走る。 何が何だか、どうしてこうなっているのか、さっぱりわからない。 ピートは、不気味な枯れ枝から逃れようと、動かせる部分を駆使して懸命にもがいた。 ...続きを見る

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2012/11/05 20:18
魔女の住まう森 11
ぱさ、というかすかな音で、ピートは我に返った。 気付けば、手に持っていたはずの紙切れは床に落ちている。 ため息と共に紙切れを拾い上げ、ベッドに座り直す。 そして、書かれていた文章の意味を思った。 ...続きを見る

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2012/10/27 19:18
魔女の住まう森 10
「あんたの妹、メグのことだけどね。あの子、まだ熱が下がらないんだよ」 ...続きを見る

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2012/10/19 19:56
魔女の住まう森 9
まき割りを終え、斧を置いて額に浮かんだ汗をぬぐう。 やはりまき割りは結構な肉体労働である。 上着を着ていなくて良かった、と考えたところで、ピートは今朝のどたばたで、上着を着そびれたのだと思い出した。 昨晩寝た時に脱いだ覚えがあるので、記憶違いでなければベッドに置きっぱなしになっているはずである。 ...続きを見る

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2012/10/13 12:58
魔女の住まう森 8
家の裏側から逃げ出し、まき割り場まで戻ったところで、ピートはようやく足を止めた。 切り株に腰かけ、頭を抱え込む。 荒くなった呼吸と、激しく波打つ胸の鼓動が、痛いほど耳を打つ。 ...続きを見る

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2012/10/06 12:51
魔女の住まう森 7
「まき割り場は、台所のドアから外に出て、ちょっと右に行った辺りだよ。斧や丸太があるからすぐにわかるさ」 ...続きを見る

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2012/09/29 11:21
魔女の住まう森 6
にわとり小屋の掃除を終え、ピートは伸びをした。 外に出したにわとり達にはしばらく日光浴をさせ、頃合を見て小屋に戻せばいいだろう。 ...続きを見る

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2012/09/22 11:45
魔女の住まう森 5
……金属製の重たいじょうろの先から、ぼたぼたと水が垂れている。 これでじょうろの中身は空だ。 水が残らないよう軽く振り、ピートは元あった場所に戻しに行く。 花の水やりは、何事もなく終わった。 朝出くわした、ベルの音を出す変な植物のことが頭にあったので、勝手に動き出したりするのでは……とひやひやしていたので、ピートはすっかり拍子抜けである。 何かあって欲しいわけでは絶対ないが。 ...続きを見る

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2012/09/15 16:20
魔女の住まう森 4
翌朝、ピートはベルのような音を聞いて目を覚ました。 ベルのよう、とは認識できたが、自分の知るそれとはちょっと違う響きである。 一体何の音か、と音のする方に寝返りを打ってみて、ピートはぎょっとした。 いつの間にか窓が開き、そこから植物のつるが入り込んでいて、先に咲いたいくつもの小さな白い花を揺らしているのだ。 ベルのような音は、ぶつかり合う花から発生していた。 ...続きを見る

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2012/09/08 14:49
魔女の住まう森 3
明かりに導かれて歩いた先には、古い家があった。 門は壊れ、家を囲む木の柵は朽ち、折れたり割れたりしている部分が目立つ。 家の周りは伸びた雑草で覆われ、もう何年も手入れなどされていないことがうかがえる。 一目見ただけでは、とても人の住んでいるようには見えない。 まったくの無人の廃屋、というのが、大方の人間の抱く印象だろう。 ...続きを見る

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2012/09/01 09:11
魔女の住まう森 2
一体何の明かりだろう。 視界のにじみを取り除こうと、少年は目をこすった。 その明かりはゆらゆらと揺れながら、こちらに近付いてくるようだ。 ――誰かが来る。 少年はとっさにメグを抱きしめた。 もしかしたら、自分達がいなくなったことに気付いて、誰かが探しに来たのかもしれない。 見つかったら連れ戻されて、おじにまたぶちのめされるのだろう。 容易にその様子が思い浮かんで、体が凍りつく。 もはや、目の前にあるたき火の暖かさもわからない。 ...続きを見る

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2012/08/25 09:13
魔女の住まう森 1
夜更けの森の暗闇を照らしながら、たき火が燃える。 その中に細い枯れ枝を放り込み、少年はため息をついた。 栗色の髪をした年の頃、十二・三歳ほどの少年である。 それに寄りかかるようにして、同じ髪色の五歳ほどの女の子が眠っている。 どちらも、こんな時間に森にいるのは不自然な年齢だ。 おまけに季節はまだ春先。暖かくなってきたとはいえ、夜になればかなり冷え込む。 森のあちらこちらには溶け残った雪があり、息を吐けば白く煙る。 それなのに二人の格好は、寒さをしのぐには心もとない物だった。 ...続きを見る

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2012/08/18 17:39
少年は少女の手を引いて行く
荒廃しきった世界のあるところに、高い塔に捕らわれた女の子がいました。 つるりとした塔の壁に、入り口は見当たりません。 窓がたった一つ、高い高い塔のてっぺんあたりにあるだけです。 その窓から、女の子は毎日外を見つめていました。 女の子の存在は周囲に知られていましたが、彼女の正体や塔に捕らわれた理由を知る人はいませんでした。 ...続きを見る

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2012/08/11 09:53
中途半端な能力
どういう理由かはわからないが、常に手が光るようになった。 ホタルのような、ぽわーっ、ぽわーっと点滅する光り方だ。 昼間や明るい場所でなら特に困ることはないが、問題は夜、外を出歩く時だ。 この手が目立たないはずがない。 手をさらして歩こうものなら、たちまち人の目が集まってくる。 ...続きを見る

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2012/08/04 14:10
臆病者の復讐
――考えるよりも先に、体が動いていた。 ...続きを見る

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2012/07/28 20:23
未来は思案の外
昔、ある夫婦に娘が生まれた。 夫婦の暮らす町では、生まれた子供を魔法使いに見てもらう風習があった。 子供が不幸にならないためにどうすれば良いか、教えてもらうのだ。 魔法使いは、その人の一生を一度だけ見る事ができるという力を持っていた。 ...続きを見る

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2012/07/21 13:41
僕らはもう限界
ある日、地球に大量の円盤がやって来た。 もしや侵略者だろうか、と人々が震えていると、円盤から穏やかな声がした。 ...続きを見る

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2012/07/14 14:00
不思議な杯
夜中、家に帰る途中の道に露店商がいた。 道端に座って布を広げて、その上に売り物を色々並べていた。 どういうわけか茶碗やおわんや箸だのと、和風食器ばっかり並んでいたが。 夜中だっていうのにまあ、よく物を売る気になるもんだ。 この時間じゃ、せいぜい酔っ払いぐらいしかいないだろうに。 ...続きを見る

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2012/06/23 17:59
光る竹
昔、あるところに竹取りを生業とする老人が暮らしていた。 竹を取って細工をしても大した稼ぎにはならないが、毎日こつこつと働けば年老いた妻一人を養うぐらいはできる。 そんなわけで、老いた夫婦の暮らしは実に慎ましやかなものだった。 ...続きを見る

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2012/06/16 15:23
クイズショー
……私はクイズショーの司会者をしている。 ただし、少々特殊な内容のため、一般に放映されていない。 ショーが見たければ、不定期に設置されるステージに出かけ、くじによる抽選で当たりを引かなければならないのだ。 だが内容が内容だけに高い人気があり、なんとかして観ようという連中が毎回激しい争奪戦を繰り広げていた。 ...続きを見る

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2012/06/09 15:04
コノヨノスベテ
ああ、勇者様。 私は村のほとりにある聖なる泉で、得体の知れぬものを見てしまいました。 ...続きを見る

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2012/06/02 10:11
呪いのわら人形
世紀末のある時代、爆発的に売れている人形があった。 全てに絶望したという老婦人がわらを編んで作ったらしい、と噂される人形なのだが、それを使って呪いをかけると、とてもよく効くのだ。 呪い方はいたって簡単、わら人形を痛めつけるだけである。 そうすれば呪った相手もわら人形と同じ所にケガをしたり、病気を患ったりするのだそうだ。 ケガや病気の程度は相手への憎しみの強さに影響されるといい、同じように痛めつけたとしても、ケガで済む場合もあれば死に至る場合もある。 以前、浮気癖の治らない亭主に怒り狂い... ...続きを見る

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2012/05/26 23:49
N氏の物語10−最終話
――私は。 急に声を荒げたNを、驚いて見つめ返すばかりだった。 一体何を言い出すのだろう。 私がフレッドという人であるはずがないのに。 ...続きを見る

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2012/05/12 12:59
N氏の物語9
逃げてきた浜辺は、水を汲める川がなく、果物のなる木もほとんどなかった。 俺達はたちまち飢えや渇きに襲われたが、二人とももうあっちに戻る気にはなれなかった。 逃げてきてから数日、俺達はひどく怯えて過ごした。 一番安全だと思う場所に逃げたとはいえ、いつ、どこからあの怪物どもがやって来るかわからないからだ。 草が風にゆれ、波が少し強く打ち寄せただけでも緊張せずにいられなかった。 ...続きを見る

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2012/05/06 12:01
N氏の物語8
俺達は怪物の手で、洞窟の中の広い場所に連れて来られた。 驚いたことにそこの岩は、緑色のエメラルドのような光を放っていた。 高い天井に明けられた穴から太陽の光が降り注いで、石を光らせていたんだ。 まるで、大聖堂か何かのような、神秘的な場所だったよ。 そこが観光名所だったら、誰もが心奪われてじっくり見て回りたいと思うだろうな。 だが実際には気味の悪い怪物どもの集会場で、俺達は殺されようとしているところだ。 その場所がきれいだろうが神秘的だろうが、感動もへったれもありゃしない。 ...続きを見る

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2012/05/05 17:00
N氏の物語7
次に気がついた時、俺は岩をくり抜いたような所に寝かされていた。 そこはとにかく生臭くて暗い場所だった。 所々にくくりつけられたたいまつの明かりがなかったら、何も見えなかっただろう。 体を起こすと強烈な頭痛が襲ってきて、思わずうずくまったよ。 そこで思い出したんだ、怪物に捕まったんだ、ってな。 ...続きを見る

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2012/05/04 16:10
N氏の物語6
俺もフレッドも、後ろを振り向かずにひたすら走った。 あんな怪物が追いかけてくるっていうのに、振り向く気になんてなれるもんか。 走って、走って、走って……ねぐらにたどり着いた。 ...続きを見る

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2012/05/03 17:04
N氏の物語5
フレッドの提案で、俺達はあの怪物どもの後を追うことにした。 戻るのが遅くなったとしても、食料を持って帰ればそんなにひどい目にはあわせないだろう、ってのがフレッドの意見だった。 もし文句を言って来たなら、「遠くまで行かないと手に入らなくなってきた」ってことにしよう、って俺達は口裏を合わせた。 ...続きを見る

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2012/05/02 23:14
N氏の物語4
それからの生活は、まるきり奴隷のようだった。 拳銃を持った男は、俺達三人の男を下僕扱いした。 あいつは俺達に色んな仕事をさせて、まるで王様のように過ごしていたよ。 食料集めに川の水汲み、火の番をさせるだけじゃない。 あいつは柔らかい草を集めて、その上に大きな葉っぱを乗せたベッドをこしらえさせたり、椅子代わりにするために、平らな石を運んでこさせたりもした。 その間、あいつはルーシーを手荒に扱い、気まぐれに俺達を脅したりして過ごしていた。 ルーシーは毎日、ずっと泣きっぱなしだったよ。日を... ...続きを見る

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2012/05/01 20:36
N氏の物語3
俺は情け無いほど混乱していた。 仕方ないだろう、生まれて初めての遭難に、無人島でのサバイバルまでついてきたんだからな。 何をどうすればいいのか、何から手をつけるのか、さっぱりわからなかったよ。 ...続きを見る

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2012/04/30 15:44
N氏の物語2
乗り込んだ救命ボートが転覆して、海に投げ出された後のことはよく覚えていない。 板切れか何か、つかまっていられる物を探しているうちに溺れてしまったんだろう。 次に目を覚ました時、俺はどこかの砂浜に打ち上げられていた。 初めは死んであの世に来たんだと思ったが、体中が傷だらけであちこち痛むものだから、嫌でも生きていることを実感したよ。 とにかく最悪な気分だった。 着ている物は海水でぐしゃぐしゃだし、鼻や口は砂だらけだ。おまけに寒くてかなわない。 俺はとりあえず立ち上がったが、ほとんど歩けず... ...続きを見る

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2012/04/29 20:17
N氏の物語1
町を歩いていたら、後ろから誰かに腕をつかまれた。 ぎょっとして振り返ると、そこにいたのは私の古い友人だった。 分厚いコートを着込み、青白い顔をしてやせ細った彼は、まだ二十代だというのにずっと老けて見える。 ...続きを見る

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2012/04/28 21:51
エンジョイ、ホリディ
日曜日。 ベッドでまどろんでいた男は、不意に枕元の目覚まし時計に目をやり、ため息をついた。 ...続きを見る

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2012/04/14 17:03
「愛してるよ、マリー」 7<最終話>
――屋敷の火災は、どうにか敷地内で収まった。 だが一階部分は完全に焼けており、二階も真っ黒になってしまったため、屋敷は建て直さなければならないだろう。 幸い、数名の怪我人が出たものの、死人は出なかった。 使用人達は総出で燃えかすを消して回り、後始末に追われていた。 ...続きを見る

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2012/04/07 18:26
「愛してるよ、マリー」 6
どのぐらい、そうやって泣いていたのだろう。 窓の外が突然騒がしくなり、マリーは顔を上げた。 何だろう。 マリーは涙をぬぐい、立ち上がって窓辺に近づく。 夜間な上、二階からではよく見えないが、男とおぼしき三人組が馬に乗って庭を突っ切ってくるところだった。 ずいぶん乱暴な客人だ、と思って見ていると、彼らは何かを一階の部屋に向かって放り込んだ。 がしゃん! と窓の割れる音がして、めらめらと赤い炎が部屋の中に広がっていく。 誰かがその部屋にいたのだろう、悲鳴が上がった。 三人組は他の部屋... ...続きを見る

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2012/03/31 15:29
「愛してるよ、マリー」 5
遮光眼鏡の話をジョンにしてから、幾日かが過ぎた。 あれからマリーは、ジョンに会っていない。 執事いわく「旦那様の体調が芳しくない」とのことである。 それを聞いたマリーは看病がしたい訴えたが、聞き入れてはもらえなかった。 せめて彼を元気付けようと手紙を書き、届けてもらったが……今のところ、返事はない。 ...続きを見る

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2012/03/24 13:23
「愛してるよ、マリー」 4
マリーが屋敷に住み始めてから、一月あまりが過ぎた。 ここでは屋敷の使用人達が食事の用意や身支度まで全てやってくれるため、時間の有り余った暮らしをしている。 おかげで冴えない田舎娘だったマリーも、それなりに貴婦人らしく見えるようになった。 ジョンとは相変わらず、地下室で短い逢瀬を重ねる日々である。 ...続きを見る

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2012/03/17 15:19
「愛してるよ、マリー」 3
執事が迎えに来たのは、夕方から夜になろうという頃だった。 窓の外から見える空は、遠く向こうで下部のオレンジ色と上部の暗がりが交じり合っている。 ...続きを見る

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2012/03/10 14:51
「愛してるよ、マリー」 2
町から馬車に揺られて到着したのは、立派な門構えの大きな屋敷だった。 門から屋敷までの間には石像の置かれた庭園があり、庭師が手入れをしている。 マリーははぐれてしまわないよう、執事の後をついて行くばかりだった。 前を行く執事を見るマリーの目は、ややとがっている。 それというのも、道中で投げかけた質問に、一切答えてもらえなかったせいである。 ...続きを見る

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2012/03/03 16:37
「愛してるよ、マリー」 1
昔、とある小さな町に若い娘と大工の見習いをしている青年がいた。 若い娘はマリー、青年はジョンという名前である。 二人は幼い頃から仲が良く、年頃になった今は恋人という関係になっていた。 ジョンの方は数年前に両親を亡くしているせいか、マリーを大切に扱い、深い愛情を注いだ。 そろそろ結婚か、と尋ねられるたび「見習いのままじゃ貧乏させてしまう。一人前になってからだ」ときまじめに答えるほどに。 ...続きを見る

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2012/02/25 19:57
不老不死になった王様
昔、あるところに、不老不死を求める王様がいた。 王様の治める国は豊かで、周囲にも脅かす存在はいなかった。 だから、王様は自分の統治でさらに国を繁栄させるべく、不老不死を求めたのである。 世継ぎとしては王子が一人いたのだが、王様は彼の能力を憂いていた。 ...続きを見る

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2012/02/18 20:25
チョコレートどうぞ!
チョコレートを買ってしまった。 あげる相手もいないっていうのに、友達の付き合いで一緒に入ったお店を出る頃には、しっかり手に取っていた。 だって、おいしそうだったんだもん。 普段お目にかかれないようなチョコレートが並んでたら、そりゃ心奪われちゃいますよ、もう。 これからさっそく準備、っていう友達と別れて、家に帰りながら私はため息。 義理チョコとか友チョコとか、そういう軽いノリで渡せるレベルじゃないし、しゃーない、自分で食べますか。 何事もなく家に着いて、玄関のドアを開ける。 ...続きを見る

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2012/02/11 21:32
バーグtoバーグ
ある日、残業帰りの暗い夜道を歩いていたら、前から『ハンバーグ』が全力疾走してきた。 ハンバーグっていうのは誰かのあだ名じゃない。 そのものずばり、ハンバーグだ。 玉ねぎとミンチと玉子とパン粉が材料の、こんがり焼いてソースをかけて食べる、丸くて平べったいアレだ。 驚くべきことにそいつにはマンガちっくな顔があり、ほっそい小さい手足を駆使して、一生懸命走っていた。 ...続きを見る

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2012/02/04 17:17
人形の報酬
ある国の王様へ、旅の商人がお目通りを願い出た。 「珍しい物を持っております」と言うので、退屈していた王様はすぐさま面会の許可を出した。 ...続きを見る

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2012/01/28 16:43
姉弟と一羽の鳥
昔、あるところに姉と弟がいた。 二人の両親は借金を返すため、遠い街へ出稼ぎに行った。 しかし、それ以来音沙汰がなく、今となってはどうしているのかわからなかった。 きっと生きている、帰ってくると信じて、二人はぼろぼろの家で身を寄せ合うようにして暮らしていた。 ...続きを見る

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2012/01/21 22:04
酒を飲んだ男の話
昔、あるところに太郎という者が住んでいた。 太郎は働き者だが、大酒飲みという欠点があり、金が入るやいなや入れ物を二つぶら下げて、酒を買いに行ってしまう。 そして、道々、入れ物の一つの中身を飲みながら帰る。 家で飲めば良いものを、我慢できないらしい。そのために入れ物が二ついるのだ。 当然ながら、家に着く頃には、すっかり出来上がっている。 女房があきれようと、怒ろうと泣こうと、全くおかまいなしである。 「お前、そのうち三くだり半をつきつけられるぞ」と仲間に言われても、「なあに、それならま... ...続きを見る

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2012/01/14 21:11
○○に告白されました
「お、俺は、お前が好きだ。その……一目見た時からお前のことが忘れられなかった」 ...続きを見る

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2011/12/31 12:05
M氏が聞いた音
その男の名を、仮にMとしよう。 M氏は不運な事故で聴力を失った男である。 彼が聴力の失われたことを知った時の嘆きようは、尋常ではなかった。 なぜならM氏は音楽家。聴力を失うことは精神的苦痛にとどまらず、音楽家生命に関わるのだ。 ...続きを見る

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2011/12/24 15:36
やまんばのお堂
昔、あるところに太吉という少年がいた。 母親と二人暮しの、働き者で親孝行という評判の少年だ。 その太吉の住む村には、一つの決め事があった。 毎年、祭りのたびにやまんばに村の若い娘を一人差し出すというものである。 娘を集めてくじを引き、当たりを引いた娘を山の中にあるお堂へ置いてくるのだ。 そのお堂はいつからあるのかもわからない古い物で、やまんばが住んでいるとされていた。 ...続きを見る

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2011/12/18 16:37
アリ達の愉しみ
太陽がジリジリと照り付ける、まぶしくて熱い夏。 アリ達は今日も、冬にそなえてせっせと食べ物を蓄える仕事に精を出す。 食べ物を探しに行く列と、探してきた食べ物を持ち帰る列に別れ、道を行き交う。 ...続きを見る

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2011/12/03 15:58
世界崩壊その後で
某月某日。世界中の国々の政府が、一斉にあることを発表した。 それは「近々地球に巨大な隕石が落ちる。もはや手の打ちようがない。地球はこの隕石で滅亡する」というものだった。 当然、科学技術や軍隊、兵器を結集してどうにかしろという意見が相次いだ。 しかし、既にそれらは全て秘密裏に行なわれたことであり、その上でこの結果なのだと知るや、今度こそ人々はパニックに陥った。 ...続きを見る

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2011/10/29 17:42
ある人魚
昔、ある人魚がいました。 人魚は美しい顔立ちに豊かな金色の長い髪、雪のように白い肌、笑えば鈴の転がるような可憐な声の持ち主でした。 その愛らしさときたら、一目見ただけで誰もが恋をするほどでした。 そればかりか、人魚には珍しく魔法の才能にも恵まれていて、きっと、彼女は人魚族の王子様にめとられるのだろう、と周りは予想していました。 ...続きを見る

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2011/10/22 18:20
エル氏のペット
秋が終わりかけ、朝晩めっきり冷え込むようになったある日のこと。 遅寝をしていたエル氏は、小さなくしゃみの音で目を覚ました。 自分のものではない。 となると、思い当たる相手はただ一つ。 エル氏はベッドに起き上がり、掛け布団の上に乗っている「それ」を見た。 そこには、エル氏の飼っているペットが寝ているはずだった。 このペットには、飼い始めた頃からエル氏と同じベッドの上で寝る習慣があるのだ。 そして今日も変わらず、ペットはそこで寝ていた。 ただし、いつもとは違ってぐったりした様子である... ...続きを見る

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2011/10/08 21:50
絞首台の奇跡
昔、あるところに一人の若者がいた。 若者はたいそうな猫好きで、家にいる猫をかわいがっていた。 ...続きを見る

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2011/09/16 13:47
悪あがき
「いたか?」 「いえ、見当たりません」 「くそっ、どこに隠れたんだ」 「まだ遠くには行っていないはずだ。とにかく探せ!」 ...続きを見る

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2011/08/25 14:06
マッチ売りの少女と男
雪の降るクリスマス。 貧しい身なりの少女が、路上でマッチを売っていた。 カゴに入れられたマッチは降り続く雪のせいで湿り、使い物になりそうもない。 普通なら、「今日はもう商売にならない」とあきらめて帰るところだ。 ...続きを見る

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2011/08/05 10:04
未来世紀の親指姫
仕事を終えて部屋に帰ると、植木鉢で育てていたチューリップが、真っ赤な花を咲かせていた。 何となく中をのぞきこんだ私は、ぎょっとして一歩、後ろに下がった。 待て待て待て。今見たものは何だ? 私が働き過ぎで頭がおかしくなったということでもない限り、あれは、小さな小さな女の子にしか見えなかったが。 ...続きを見る

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2011/07/21 16:14
カンカンカンカン
カンカンカンカン。 時間は深夜。 おそらく最終電車が来るのだろう、踏み切りの警報が鳴り出した。 遮断機のバーが降り切る前に渡ってしまおうと、何人かが走り抜ける。 ...続きを見る

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2011/07/14 13:08
ふしぎな肉
昔、あるところに一つの王国があった。 その国の王様は大変な大食いで、常に物を食べていないと落ち着かないというあり様だった。 謁見や会議の時はもちろん、部屋を移動する時のほんの少しの時間でさえ食べ物を持ち歩く始末である。 幸い、王様としての仕事ぶりは優秀だったので、呆れはすれど誰も文句を言わなかった。 ...続きを見る

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2011/07/08 18:40
いばら姫の事情
ふああ……。 おはよう、今日は何月何日かしら? えっ! もうそんなに時間経ってるの!? 月日の経つのは早いわねえ。 まるでおばあさんになった気分だわ。 年だけならおっそろしくオババ級だから、しょうがないか。 ...続きを見る

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2011/06/30 22:29
K氏の家族
その男の名を、仮にKとしよう。 K氏は今よりも科学の発達した時代に暮らす人間である。 ...続きを見る

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2011/05/31 18:02
カミを求めて
ある日のこと。 神様は、自分の降臨を求める心の声に気付いた。 どうやら下界に、心の底から救いを求める男がいるようだ。 真摯に降臨を求める心の声など、一体何年ぶりに聞いたことだろう。 神様は早速、その男がどこにいるのかを探った。 ...続きを見る

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2011/05/30 18:18
ガイコツとコンビニ
○月×日 夜、コンビニの前を通りかかったら、ガイコツが立ち読みしていた。 あれはどっからどー見ても、ガイコツだった。 いやあの、やせ過ぎてるのをガイコツ呼ばわりしているわけじゃあなくって。 黒タイツにガイコツがプリントされたゆかいなパーティグッズを着ているわけでもなくって。 理科室に置いてあって、学校の七不思議にカウントされてそうな、リアルなガイコツだった。 怖かったので、中に入ってまで確認はしなかった。 明日もいるだろうか。 ...続きを見る

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2011/05/26 16:36
ぱくぱくむしゃむしゃ
夜の森を、ヘンゼルとグレーテルという名前の二人の子供がさまよい歩いていた。 「兄さん、お家はどこ? 帰りたいわ」 「泣くなよグレーテル。きっとどうにかなるから」 ああ、この前のように道しるべに白い小石をまくことができたら、今頃は家に帰れていたはずなのに。 でも仕方ない、石を拾いに行くことができなかったのだから。 (きっと、あの継母が邪魔をしたんだ) ヘンゼルは意地悪な継母のことを思い出し、ぎゅっと唇をかんだ。 ...続きを見る

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2011/05/01 11:39
ママハハノキモチ
あたしは小さい頃、母親を亡くした。 その後、父が再婚して、継母ができた。 継母は、あたしのことを嫌った。 自分の子供が産まれると、それはさらにはっきりした。 あたしは汚れた服を着せられて、小間使いのように扱われた。 ……いや、「ように」なんかじゃない。あの女からすれば、あたしは可愛がるべき子供ではなく、小間使いだったのだ。 小間使いを小間使いとして扱うことに、良心の痛む事などあるだろうか。 父は、家庭内のぎすぎすした空気に感づいていたのだろう、仕事を言い訳にして家に寄り付かなくなっ... ...続きを見る

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2011/01/05 14:51
サンタ、やめます。
拝啓 世界サンタクロース協会様 ...続きを見る

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2010/12/18 15:09
小人達のクリスマス
*このお話は、矢菱虎犇様主催の「メリークリスマス! クリスマス競作やりましょう!」に寄せたものです。 ...続きを見る

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2010/12/04 12:08
J氏の仕事
その男の名を、仮にJとしよう。 J氏はある組織の人間である。 彼は毎朝伝えられるボスの指示に従って仕事をしている。 ...続きを見る

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2010/11/20 13:32
約193万人
「ようやっと見つけたぞ、わらわの愛しい人」 ...続きを見る

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2010/11/13 11:40
うらみます
……とあるパーティ会場にて。 ...続きを見る

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2010/10/09 15:08
I氏と魔法のなべ
その男の名を、仮にIとしよう。 I氏はごく普通のサラリーマンで、その日、深夜までの辛い残業をこなして帰宅するところだった。 途中で寄ったコンビにで買った缶ビールとつまみの入ったビニール袋をぶら下げつつ、早く風呂に入って酒飲んで寝たい、という一心で歩いていると、 ...続きを見る

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2010/10/02 14:06
観察日記
○月×日 ベランダに置きっぱなしの植木鉢に、何かの芽が出ていた。 前に植えていた日々草の種が芽を出したんだろうか。 とりあえず水をやる。 ...続きを見る

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2010/09/11 19:41
泉之国のたぬき娘 十六
予想していた痛みは、ありませんでした。 ...続きを見る

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2010/08/21 16:08
泉之国のたぬき娘 十五
薄紅色の綿毛のような花を咲かせた木は、大次郎や花のいる位置からずいぶん離れたところにありました。 ここからだと、二人はかろうじて人だとわかる程度にしか見えません。 ...続きを見る

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2010/08/14 20:05
泉之国のたぬき娘 十四
一行は、日が暮れる前に山を越え、山の中で見たかわら屋根のある場所に着きました。 ...続きを見る

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2010/08/08 18:39
泉之国のたぬき娘 十三
それからの道のりは、順調そのものでした。 道中、大次郎と花がどうでもいいことで言い合いになるぐらいのもので、何事もなく誠城寺へと続く道を進むことができました。 カジカに殺されそうになる夢はあれから一度も見ておらず、夜はきちんと眠れるようになったため、身も心もすっかり回復しています。 ...続きを見る

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2010/07/31 21:23
泉之国のたぬき娘 十二
お陽が次に目を開けた時、辺り一面に白いもやがかかっていました。 ひんやりとした空気と、そして時折聞こえる小鳥のさえずり。 たき火の跡から漂う燃えかすの臭いが、つんと鼻をつきます。 それは誰がどう見ても、早朝の風景でした。 身を起し、しばらくぼうっとしていたお陽は、不意に「あれ?」と首をかしげました。 ...続きを見る

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2010/07/24 17:35
泉之国のたぬき娘 十一
女の格好をした大柄な男と、男の格好をしたほっそりした女。 なんとも奇妙な二人組と関わってしまったものだと嘆きながら、お陽は残りの一日を過ごしました。 ...続きを見る

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2010/07/17 20:23
泉之国のたぬき娘 十
「俺を子犬呼ばわりするんじゃねえ!」 「なーに言ってるのよ、まるっきり子犬じゃない。きゃんきゃん吠えて、かみついて。残念ながら迫力はないけどね」 「何だとぉ!?」 「あら、やる気?」 ...続きを見る

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2010/07/11 15:59
泉之国のたぬき娘 九
「考えすぎ、だよね」……お陽は確かにそう考えました。 しかし、次の日もその次の日も、お陽はカジカに殺されそうになる夢を見、その度に飛び起き、心配して様子を見ていたというカジカに頭をぶつけました。 続くこと、とうとう四日目になったのが今日のこと。 そのためお陽は、目を覚ましてからずっと気分が重くて仕方ありませんでした。 ...続きを見る

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2010/07/03 16:22
泉之国のたぬき娘 八
その日は、川辺で夜を明かすことになりました。 火を起こし、川で捕まえた魚を焼いて夕げにします。 捕まえた魚の中には、カジカもいました。 ...続きを見る

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2010/06/26 17:01
泉之国のたぬき娘 七
少年は、見た目とは裏腹に大変な力持ちでした。 決して大柄とは言えないやせた体で「よいしょ」と荷物ごとお陽を背負い、ふらつくこともなく山道を歩き出したのです。 ...続きを見る

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2010/06/20 14:35
「タイムスリップタクシー」 Singer
*このお話は、舞様の「タイムスリップタクシー」に寄せた作品です。 ...続きを見る

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2010/06/12 18:36
泉之国のたぬき娘 六
「疲れたでしょう、荷物持ちますよ」 「大丈夫だってば!」 「遠慮しなくて良いんですよ」 「してない!」 ...続きを見る

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2010/06/05 16:19
泉之国のたぬき娘 五
「ご、ごめんね。死んでると思ってたから、びっくりして……」 ...続きを見る

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2010/05/29 20:17
泉之国のたぬき娘 四
そうこうしているうちに旅支度も済み、いよいよ旅立ちの時がやってきました。 お陽は、髪の毛が邪魔にならないよう頭の両わきで団子の形にまとめ、さらにしっぽを隠すため、長い上着を羽織りました。 ...続きを見る

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2010/05/15 16:31
泉之国のたぬき娘 三
朝げが済むと、お陽は母親と二人きり、向かい合って座りました。 父親は「俺なんかどうせ……」と、すみの方でいじけています。 ...続きを見る

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2010/05/09 16:25
泉之国のたぬき娘 二
その後、畑から帰って来た父親を、お陽と母親はそろって出迎えました。 ...続きを見る

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2010/05/01 14:47
泉之国のたぬき娘 一
昔、ある所に泉之国(いずみのこく)という国がありました。 泉之国のある山に、お陽(よう)という娘が住んでおりました。 お陽は父母とともに畑を耕したり、山に入ってきのこや山菜を取ったりして暮らしていました。 ...続きを見る

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2010/04/24 14:10
四月一日 十時二分
四月一日 六時二分 牛魔王が遊びに来た。 本当は雲をつくようなでかい白牛だが、普通の人間に化けていた。 おおよそ三百年ぶりの再会だ。 「久方ぶりだな、盟友よ。息災なようで何よりだ」 来ることは前もって言っておけ。 休日の早朝六時に、いきなり部屋の中に現れるな。 ...続きを見る

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2010/04/03 20:24
とある王国の、ある一日
とあるところに、国民が一つにまとまっている王国があった。 ...続きを見る

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2010/03/27 19:59
うさぎ物語〜かちかち山異聞9〜最終話
うさぎは、ようやく老人に良い知らせをもたらすことができた。 たぬきを殺したと聞かされた老人は涙を流し、何度も礼を述べた。 ...続きを見る

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2010/03/20 20:43
うさぎ物語〜かちかち山異聞8〜
泥の舟は、思った通りもろかった。 川の真ん中で魚を取っているうちに、じわじわと水を吸い込んで崩れ始めた。 当然、少しずつ川の中に沈んでいるのだが、乗っているたぬきは魚を取るのに夢中で、気付いていない。 横目でそれを見ていたうさぎは、計画の最後の仕上げに入った。 ...続きを見る

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2010/03/13 15:14
うさぎ物語〜かちかち山異聞7〜
それから幾日かが過ぎて、うさぎは舟を調達したという知らせを聞き、川原で待つ老人の元に向かった。 老人の調達してきた舟を見て、うさぎはがく然とした。 舟は、うさぎがようやく乗れるという程度の大きさだったのである。おまけに舟を操るのに必要なかいが付いていないという有様。 この舟でたぬきを乗せて川の深い所へ行き、突き落とすのは難しい。 ...続きを見る

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2010/03/06 19:02
うさぎ物語〜かちかち山異聞6〜
「……それで?」 ...続きを見る

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2010/02/28 19:48
うさぎ物語〜かちかち山異聞5〜
老人の家を出た後、うさぎはたぬきの居場所を調べ上げ、老人の家近くの山奥に住み着いていることを知った。 子供らは一緒ではなく、一家で移り住んだわけではないらしい。 たぬきは、周囲にその理由を聞かれた時に、「がきを食わせるために、出稼ぎに来た」と説明したという。 ...続きを見る

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2010/02/21 17:45
うさぎ物語〜かちかち山異聞4〜
たぬきの小屋を飛び出したうさぎは、その後ふらふらとさまよい歩いた。 さまよううちに、変装のために身に着けていた毛皮は失われ、黒く塗った顔や足は元通り白くなっていた。 ...続きを見る

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2010/02/14 17:26
うさぎ物語〜かちかち山異聞3〜
うさぎがたぬき達に案内されたのは、実にみすぼらしい小屋だった。 壁や屋根として使われている木の板は腐っており、小屋の中はすえたような変な臭いが充満している。 うさぎはこっそり顔をしかめながら、生活が苦しいことを察した。 ...続きを見る

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2010/02/07 14:24
うさぎ物語〜かちかち山異聞2〜
かくて、孤独な身の上となった幼い子うさぎの、新たな生活が始まった。 頼れるのは自分だけという生活は、それはそれは過酷なものだった。 幸せそうな他の子うさぎをうらやんだことは、数え切れぬほどあった。 大人のうさぎにいじめられ、つまらない誤解からのけ者にされて泣いたことも、一度や二度ではない。 ...続きを見る

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2010/01/31 14:12
うさぎ物語〜かちかち山異聞〜1
昔、ある山に、おばあさんうさぎと幼い子うさぎが住んでいた。 ...続きを見る

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2010/01/23 23:14
神様がやってきた!
*このお話は、つる様企画の「読書感想文/X’mas短編競作しませんか?」 に寄せた作品です。 ...続きを見る

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2009/12/18 23:09
三周年記念リクエスト:2 「ラブ・ミー・ドゥ」〜ia.様に捧ぐ。〜
*この話は、ia.様からリクエストいただいた「マネキン」という内容で書いたお話です。 ...続きを見る

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2009/12/12 16:05
三周年記念リクエスト:1 「幸せな記憶」〜つる様に捧ぐ。〜
*この話は、つる様からリクエストいただいた「X’mas的なもの」という内容で書いたお話です。 ...続きを見る

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2009/12/05 18:37
もりのくまさん・エピローグ
――巡り巡りて、季節は春。 ...続きを見る

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2009/08/15 17:47
もりのくまさん・結(後編)
熊に出会った場合、どうするべきか。 返り討ちにしてのけた、という武勇伝も聞かれるが、それはごくまれな話。撃退よりは逃避するのが賢明だろう。 ...続きを見る

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2009/08/14 22:01
もりのくまさん・結(前編)
――男は、森の中を駆けていた。 ...続きを見る

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2009/08/12 16:45
もりのくまさん・転
「エレンが見つかりました」 ...続きを見る

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2009/08/08 17:33
もりのくまさん・承
男は、女をそのまま小屋に置いた。 ...続きを見る

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2009/08/01 10:39
もりのくまさん・起
その男は、猟師を生業にして、森の中で一人で暮らしていた。 ...続きを見る

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2009/07/25 17:10
芳田くんと木彫りのハニワ
芳田くんは、安アパートで一人暮らしをする二十三歳の若者である。 彼は、大学卒業後、記念すべき新社会人一年生の生活に挫折し、以後、短期の仕事で生計を立てている。 ...続きを見る

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2009/07/11 17:27
白地に茶色いぶちのある子猫
ソファーで昼寝をしていて、ふと息苦しさを感じた。 目を開けると、ソファーの背もたれに一匹の赤トラの猫がいて、俺をじっと見ていた。 ……この家には猫はいない。 どこから来たんだろう、と寝ぼけた頭で考えていると、 ...続きを見る

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2009/07/05 15:45
蛙と老人
昔々、ある所に古い神社があった。 そこに、人間の言葉を話す一匹の蛙が住み着いていた。 蛙は境内の下に潜み、雨の日にはゲコゲコ鳴いたりしながら、神社に拝みに来る人間を観察するという暮らしをしていた。 ...続きを見る

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2009/03/26 20:40
君の言い分、君のココロ。
*このお話は、ia.様にリクエストいただいたものです。ia.様、出来に関しては寛大にっ、寛大に……っ! ...続きを見る

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2008/10/18 22:25
幸せの? 青い鳥
*このお話はポルノグラフィティの「ネオメロドラマティック」を聞きつつ書きました。つる様に捧げます。 ...続きを見る

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2008/10/13 17:20
足元からの危機(三十八回目/最終回)
「なあなあ、バイト休みだったら、ゲーセン行かねえ?」 ...続きを見る

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2008/09/30 23:07
足元からの危機(三十七回目)
――これ以上、地下にいる理由はない。 そんなわけでオレ達は、若桃の術で地上に戻ることになった。 ...続きを見る

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2008/09/29 23:44
足元からの危機(三十六回目)
……静かだ。 どこからか生ぬるい風が吹いてきて、ひょおおお……と物寂しい音を立てる。 ...続きを見る

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2008/09/28 22:26
足元からの危機(三十五回目)
「ぐ……っ」 ...続きを見る

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2008/09/27 23:10
足元からの危機(三十四回目)
――オレは、ちらっと処刑場の出入り口を見た。 ...続きを見る

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2008/09/26 23:06
足元からの危機(三十三回目)
「昔を思い出すわね、お猿」 ...続きを見る

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2008/09/25 23:35
足元からの危機(三十二回目)
「お前達はもう用済みだ。私の体に還るがいい」 ...続きを見る

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2008/09/24 08:49
足元からの危機(三十一回目)
「余のことは……放っておいてくれ……」 ...続きを見る

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2008/09/22 22:38
足元からの危機(三十回目)
オレは、槍の刃を使って縄を切ってやった。 ...続きを見る

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2008/09/20 22:31
足元からの危機(二十九回目)
わああああ……っ。 ...続きを見る

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2008/09/19 23:41
足元からの危機(二十八回目)
オバちゃんの後をひたすら追いかけて行くと、とある曲がり角でオバちゃんが立ち止まった。 ...続きを見る

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2008/09/18 00:00
足元からの危機(ニ十七回目)
死体置き場を背にして進んで行くと、その先が二手に分かれていた。 ...続きを見る

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2008/09/16 23:59
足元からの危機(ニ十六回目)
半袖の白い着物を、腰のところで黒くて細い帯で縛って。 その上に、背中に何かの赤い模様のある、はっぴに似た紺色の上着を羽織って。 下は、細身のはかまと、鉄板の仕込まれた靴。 ...続きを見る

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2008/09/15 23:54
足元からの危機(二十五回目)
カツン、カツン、カツン……。 ...続きを見る

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2008/09/14 23:00
足元からの危機(ニ十四回目)
「さてと〜……若桃様とキジをどうやって助けだそうか……」 ...続きを見る

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2008/09/13 22:36
足元からの危機(二十三回目)
「お、オバちゃんが……猿……」 ...続きを見る

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2008/09/12 23:36
足元からの危機(二十二回目)
もうろうとする意識の中で、誰かがオレを覗きこんでいるのに気付いた。 ...続きを見る

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2008/09/11 23:23
足元からの危機(二十一回目)
「な、に?」 ...続きを見る

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2008/09/10 23:53
足元からの危機(二十回目)
「ド」 ...続きを見る

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2008/09/09 23:27
足元からの危機(十九回目)
オレの繰り出した拳は、簡単に……悲しくなるほど簡単に捕らえられた。 しかも、片手で。 ...続きを見る

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2008/09/08 23:35
足元からの危機(十八回目)
「話す必要はない」 ...続きを見る

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2008/09/07 20:36
足元からの危機(十七回目)
「さ。出た出た。陛下の前まで歩いてちょうだい」 ...続きを見る

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2008/09/05 23:34
霊界探索之十八(最終話)
……よし。 ここまで来たら、もがこうが何しようが逃げられないんだから、腹を決めなきゃ。 ...続きを見る

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2008/09/01 23:46
霊界探索之十七
――霊界に戻って来た私達は、それぞれの日常に戻った。 ...続きを見る

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2008/08/31 21:52
霊界探索之十六
「さ、霊界に戻りましょう」 ...続きを見る

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2008/08/30 14:30
霊界探索之十五
ぎいやおぁああああっ! ...続きを見る

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2008/08/29 23:46
霊界探索之十四
力が、抜ける。 ...続きを見る

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2008/08/28 23:43
霊界探索之十三
「おい、カラス」 ...続きを見る

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2008/08/27 23:17
霊界探索之十二
「おかあさん、いつまでいきてるの」 ...続きを見る

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2008/08/26 23:51
霊界探索之十一
「おかあさん」 ...続きを見る

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2008/08/25 23:51
霊界探索之十
「おーい! ナツメちゃんのお母さーん!」 ...続きを見る

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2008/08/24 23:00
霊界探索之九
私は、ぐっと押し出されるような感覚と一緒に、まぶしい世界に放り出された。 ...続きを見る

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2008/08/23 22:02
霊界探索之八
……ヒマだ。 途方もなく、ヒマだ。 ...続きを見る

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2008/08/21 23:51
霊界探索之七
「連れて行け」 ...続きを見る

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2008/08/20 22:18
霊界探索之六
御殿に入ると、だだっ広い部屋に通された。 ...続きを見る

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2008/08/19 23:47
霊界探索之五
すすきの中道を通って来た私達は、木製の巨大な門の前に到着した。 押してもびくともしなさそうな、頑丈そうな作りだ。 ...続きを見る

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2008/08/18 23:53
霊界探索之四
河原を歩き続けて、どのぐらい経っただろう。 ...続きを見る

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2008/08/17 21:32
霊界探索之三
「あーあ。ゆううつだなあ、嫌だなーっ」 ...続きを見る

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2008/08/16 20:38
霊界探索之ニ
――木船が川を渡りきり、向こう岸に着いた。 ...続きを見る

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2008/08/15 22:28
霊界探索
目の前に、ダンプカーがものすごいスピードで迫ってくる光景を、私は覚えている。 ...続きを見る

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2008/08/14 23:51
秋に会いましょう
「とにかくですねえ、冬に働くのはもう、辛くて辛くてたまらないんですよ」 ...続きを見る

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2008/08/09 16:38
足元からの危機(十六回目)
「殺しあえ、って……」 ...続きを見る

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2008/07/31 22:52
呪い殺めしは……
一人の男が、とある金持ちの屋敷で働いていた。 ...続きを見る

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2008/07/25 21:48
期末テストの光景
「よお、数学どうだった?」 ...続きを見る

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2008/07/17 22:17
オタカレ! の2
* これは以前お題小説で書いた「オタカレ!」の続きっちゃあ続き、っていう話です。 ...続きを見る

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2008/07/10 23:24
私は死にました。
七月二日、夜十時。 会社から帰る途中、私は、車にひかれて死んだ。 ...続きを見る

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2008/07/05 21:46
足元からの危機(十五回目)
――のど渇いた。 ...続きを見る

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2008/06/27 22:19
時間よ……
最近、どうも時間の進むのがおっそろしく早い気がする。 ...続きを見る

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2008/06/19 22:58
現代○○事情 4
――朝。 私は、ピンポンピンポンうるさい音で目を覚ました。 ...続きを見る

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2008/06/14 21:14
H氏の味方
その男の名を、仮にHとしよう。 ...続きを見る

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2008/06/05 22:55
失われた「半分」の行方
夕方、旦那から「残業で遅くなるから、外でご飯食べて帰る」ってメールが来た。 私は「大変だね、ビール冷やしておくからがんばって」ってメールを返して、ほくそ笑んだ。 ...続きを見る

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2008/05/29 23:03
足元からの危機(十四回目)
……ケツがムズムズする。 ...続きを見る

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2008/05/23 22:22
百話達成記念リクエスト4:「白い部屋とわたし」〜火群様に捧ぐ。〜
わたしは、気がつくと真っ白い部屋の中にいた。 ...続きを見る

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2008/05/18 01:29
百話達成記念リクエスト3:「眠れ 眠れ」〜つる様に捧ぐ。〜
私は、ベッドの中で小さく身じろぎして、目を覚ました。 ...続きを見る

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2008/05/10 22:47
百話達成記念リクエスト2:「悪いやつ」〜レイバック様に捧ぐ。〜
僕は、事故で重傷を負って入院している友人のカニの見舞いに出かけた。 カニといっても、本物の蟹じゃない。 蟹江(かにえ)という名字なのと、赤ら顔という特徴から、皆がカニと呼んでいるのだ。 ...続きを見る

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2008/05/04 22:16
百話達成記念リクエスト1:「G氏と友人」〜ia.様に捧ぐ。〜
その男の名を、仮に、Gとしよう。 ...続きを見る

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2008/05/01 22:53
あたしと魔法の皿〜恋、しちゃう?編〜
家の食器棚を整理していたら、奥から汚い皿が出て来た。 茶色い汚れがべったり張り付いていて、正直あまり触りたくない。 ...続きを見る

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2008/04/30 22:54
あたしと魔法の皿〜ほっぺた押さえて!編〜
家の食器棚を整理していたら、奥から汚い皿が出て来た。 茶色い汚れがべったり張り付いていて、正直あまり触りたくない。 ...続きを見る

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2008/04/29 21:51
あたしと魔法の皿〜豪邸に住みたいぞ、編〜
家の食器棚を整理していたら、奥から汚い皿が出て来た。 茶色い汚れがべったり張り付いていて、正直あまり触りたくない。 ...続きを見る

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2008/04/29 21:45
あたしと魔法の皿〜びゅーちふる編〜
家の食器棚を整理していたら、奥から汚い皿が出て来た。 茶色い汚れがべったり張り付いていて、正直あまり触りたくない。 ...続きを見る

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2008/04/29 21:40
あたしと魔法の皿
家の食器棚を整理していたら、奥から汚い皿が出て来た。 茶色い汚れがべったり張り付いていて、正直あまり触りたくない。 ...続きを見る

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2008/04/27 00:04
草むらから……
ある日の朝、いつものように車で通勤していると、道のわきにある草むらに、人が仰向けになっているのが見えた。 ...続きを見る

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2008/04/19 22:13
足元からの危機(十三回目)
オレは、目の前をにらんだ。 顔の真ん前にあるのは、ふっさふっさのタマちゃんの尻尾。 それがゆらゆら揺れる度に顔にくっつくから、メチャクチャくすぐったい! つーか、かゆい! ...続きを見る

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2008/04/12 21:42
足元からの危機(十ニ回目)
人生は、選択の連続だ。 ...続きを見る

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2008/04/06 21:21
足元からの危機(十一回目)
通路を黙々と進んで行くと、いきなり視界が開けた。 ...続きを見る

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2008/04/02 22:38
続・当たりくじ
*このお話は、「当たりくじ」の後日談です。 ...続きを見る

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2008/03/30 22:33
足元からの危機(十回目)
「今日は体を休めて、明日の朝に行動を開始しましょう」 ...続きを見る

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2008/03/28 22:42
足元からの危機(九回目)
「鬼退治からしばらくした後、私は妻を迎えました」 ...続きを見る

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2008/03/26 21:02
足元からの危機(八回目)
招待されたじいさんの家は、古めかしい洋館、という表現がぴったりだった。 ...続きを見る

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2008/03/24 22:55
足元からの危機(七回目)
「ただいま〜」 ...続きを見る

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2008/03/22 23:52
足元からの危機(六回目)
オレは、じりっ、と後ずさった。 頭の中で、ガンガン警報が鳴ってる。 逃げろ、逃げろ、と誰かが耳元でうるさく叫んでいる気がした。 ...続きを見る

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2008/03/20 12:47
足元からの危機(五回目)
オレは、ウキウキしつつ廊下を歩いていた。 ...続きを見る

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2008/03/18 22:32
怖い話
「ねえ、赤いレインコートの男の話、知ってる?」 ...続きを見る

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2008/03/13 22:01
当たりくじ
「こうなったら、くじ引きで決めよう」 ...続きを見る

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2008/03/07 22:22
不運なF氏
その男の名を、仮にFとしよう。 ...続きを見る

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2008/03/02 20:46
彼女の世界
わたしはお姫様。 ウサギさん達が身の回りのお世話をしてくれるの。 ...続きを見る

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2008/02/24 21:28
お題de小説裏企画編「オタカレ」
*このお話は「チョコレート」「ガンダム」「鰻」の三つのお題を使ってお話を書くという某所の企画に向けて書いていたけれど、期日に間に合わなかった、というシロモノです。 ...続きを見る

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2008/02/17 22:26
お題DE小説「自転車に乗って」
*このお話は、レイバック様のブログ「ショートショート風呂」にて参加表明した短編競作企画の作品です。 ...続きを見る

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2008/02/10 16:19
宿命
「おじさんが、戦に連れて行かれてしまうのよ」 ...続きを見る

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2008/02/01 22:37
紆余曲折
あるところに、小さな王国があった。 ...続きを見る

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2008/01/25 23:05
光のもたらすもの
夕飯を食べにおいでよ、と誘われて、その日の夜、友達の家に行った。 ...続きを見る

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2008/01/18 21:57
神様お願い
とある村に、神様が住むという小さなほこらがあった。 村人達は自分の畑で採れた野菜をお供えしたり、収穫した米で作った餅をお供えしたりしていた。 ...続きを見る

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2008/01/11 22:10
復讐
とある国に、一人の伯爵がいた。 ...続きを見る

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2008/01/04 21:33
私と魔女
私は、とある小さな町の教会で神父として生活している。 神学校を卒業したばかりの若造だが、生まれついての生真面目な性格が幸いし、町の人達にも信頼されている。 ...続きを見る

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2007/12/28 22:26
イヴ
失恋した。 ...続きを見る

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2007/12/21 22:49
映す価値
今からちょっとばかり昔のことだが。 当時の日本において、「三種の神器」と呼ばれたうちの一つが、テレビ、だそうだ。 残る二つは洗濯機と……何だったか。 ...続きを見る

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2007/12/14 21:02
ウチバキクエスト
昼休みに入った。 たくさんの生徒が歩いていて、廊下はにぎやか。 ...続きを見る

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2007/12/07 21:51
うねうね物語
ある日、いつものように家に帰ると、母が玄関前で立ち尽くしていた。 今朝会社に行った時の服だから、おそらく会社から帰ってきてそのままこうしているのだろう。 ...続きを見る

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2007/11/30 22:18
E氏は数学を愛す
その男の名を、仮にEとしよう。 ...続きを見る

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2007/11/23 22:50
おなかいっぱいの復讐
あたしは、食べ終ったポテトチップスの袋をゴミ箱に投げ込むと、ペットボトル入りのミルクティをグビグビ飲んだ。 続いて、メロンパンの袋をバリッと開ける。 ...続きを見る

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2007/11/16 22:23
月夜の魔法使い
駅前の通りに、ストリートパフォーマーがいた。 ひょろひょろした体を黒づくめの衣服で包み、客のいない今は小さな椅子に座っている。 それだけならどうという事もないが、隣に立てた紙製の看板に変わった文句が書かれていた。 ...続きを見る

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2007/11/09 22:12
星の降る街
「ビンの中にお菓子を入れておくと、お星様が食べに来るんだよ。で、ビンって小さいから、お星様は出られなくなって、そのまま捕まえられるんだ」 ...続きを見る

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2007/11/02 22:25
美術を志す者
「オレ、美術大学に進学したいと思ってます」 ...続きを見る

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2007/10/25 21:31
足元からの危機(4.5)
あ〜、疲れた。 俺は、バイト先から体を引きずるようにして家に帰った。 ...続きを見る

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2007/10/19 22:00
D氏、天国へ行く
D氏は死んだ。 強盗団の仲間になっていろいろと盗みを働いたのだが、ある時、へまをやって証拠を現場に残してきてしまい、責任を取るため……というよりも見せしめとして殺されたのだ。 いつ、どこで、どんな手段で殺されたかをここで細かく書いても仕方あるまい。 ...続きを見る

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2007/10/12 21:57
ピンポン
ピンポン、と玄関のインターホンが鳴らされた。 ...続きを見る

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2007/10/05 22:17
天罰
昔、あるところに、子返し神社と呼ばれる神社があった。 その名の通り、お参りをすると、生き別れになった我が子に再会できるという、不思議な神社である。 神社は高い山のてっぺんにあり、たどりつくためには長い階段を上らねばならない。 決してゆるやかとはいえない階段であり、神社につく頃にはクタクタになっている。 それでも構わず上るのは、親が子を思う情ゆえのことだろう。 ...続きを見る

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2007/09/28 21:42
足元からの危機(四回目)
ひさびさに、ばあちゃんの家に行った。 母さんが「これ、おばあちゃんのところへ届けてきてくれない?」なんて頼んできたからだ。 ...続きを見る

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2007/09/19 22:35
もしもの世界
わたしは、十歳になったこの秋から、お父様とお母様のもとを離れて、寄宿舎での生活を始めた。 ...続きを見る

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2007/09/14 22:31
王様の料理
とある王国に、食べることに目のない国王がいた。 ...続きを見る

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2007/09/08 22:47
うめる
わたしが最初に「それ」をやったのは、たぶん幼稚園の時。 なんとなく、うっすらと記憶にあるの。 ...続きを見る

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2007/08/30 22:09
浄化される世界
堕落して悪徳に染まった人間達。 他の生き物達を踏みにじってまで、つまらない欲望を満たす様は、どんな獣よりも醜くおぞましい。 その人間達のために大地は汚れ、疲れ果てた。 ...続きを見る

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2007/08/20 22:20
C氏と靴職人
その男の名を、仮にCとしよう。 ...続きを見る

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2007/08/17 21:29
眠れぬ男
薄暗い部屋。 空調が効いていて暑くはないが、何か、肌にまとわりつく嫌な感じの空気が満ちている。 ...続きを見る

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2007/08/10 21:13
パイン缶の思い出
むし暑い夏の日。 わたしは、母の様子を見に、実家に立ち寄ることにした。 母は今、実家に一人で住んでいる。 他に住んでいる人はいない。 ...続きを見る

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2007/08/03 22:29
スッキリ
朝、いつものように家を出ようとすると、玄関前で何かを踏んづけた。 ...続きを見る

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2007/07/30 23:11
足元からの危機(三回目)
学校が終わって、いつもの電車に乗り。 俺は、とある駅で電車を降りた。 ...続きを見る

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2007/07/25 22:18
失恋
「ごめんなさい、急に呼び出したりして……」 ...続きを見る

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2007/07/19 22:15
春になったとはいえ、まだまだ冷え込む季節のこと。 とある王国の城下町を、早朝、防寒用のコートを着た若者が足早に歩いていた。 若者は一軒のあばら家の前で立ち止まると、ドンドンドン、とドアを叩いた。 ...続きを見る

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2007/07/14 00:20
これが夢なら。
仕事を終えて家に帰ると、妻と娘がリビングで言い争いをしていた。 ...続きを見る

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2007/07/05 23:03
それ見たことか
ある日のこと、彼は、夢を見た。 ...続きを見る

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2007/06/29 23:31
ベッドの下に……
あたしは、彼氏のユウジの部屋に遊びに行った。 ...続きを見る

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2007/06/20 22:43
女にモテたい
朝、いつものように歩いて通勤していると、途中で子猫の鳴き声を聞いた。 どこにいるのかと探してみると、なんと、白黒ブチの子猫が木の上で小さくなって震えていた。 みゃあ、みゃあ、という哀れっぽい鳴き声が、胸に突き刺さる。 ...続きを見る

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2007/06/15 21:54
現代○○事情 3
特に予定のない休日。 私は、誰にも邪魔されずに昼寝を満喫していた。 ...続きを見る

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2007/06/06 22:58
斧が「どぼん」と。
どぼん。 ...続きを見る

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2007/05/31 22:46
あなたが笑うその日まで
俺は、クラスで「面白いヤツ」と言われている。 ...続きを見る

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2007/05/23 22:43
足元からの危機(二回目)
俺は、イラついていた。 待ち合わせしている友人のサトルが、なかなか来やがらねぇからだ。 ...続きを見る

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2007/05/18 23:07
トマトのお酒
仕事帰りに、スーパーに寄った。 母から「帰りにトマトジュースを買って来て」とメールで頼まれていたからだ。 ちなみに、三十缶入りの箱売りのを買って来いという話である。 ...続きを見る

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2007/05/09 22:09
お兄ちゃん
マンションの部屋でテレビをぼんやり見ていると、ケータイにメールが入った。 見てみると、一緒に暮らしてる妹からだった。 ...続きを見る

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2007/05/04 21:15
ウソのラブレター from 私 to B君
わたし、今、とっても悩んでるの。 ...続きを見る

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2007/04/26 09:30
そう呼ばないで
俺は、昔から、人と比較されるのが大嫌いだった。 ...続きを見る

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2007/04/20 22:30
白いクジラと笛の物語
昔々、とある南の島に、一人の若者がおりました。 ...続きを見る

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2007/04/13 23:19
予知能力者
僕には、生まれつき、予知能力というものがある。 ...続きを見る

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2007/04/06 23:17
新入りさんいらっしゃい
「皆さん、初めまして。新入りですが、よろしくお願いします」 ...続きを見る

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2007/03/31 22:56
A氏の悲劇
仮に、彼をA氏と呼ぶことにしよう。 ...続きを見る

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2007/03/25 22:38
砂漠の歌
やあ、こんにちは。 退屈なら、僕の話を聞いて行かないかい? もちろん、無理にとは言わないよ。 嫌になったなら、すぐさま無視してどこかに行ってしまっても良いんだから。 ...続きを見る

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2007/03/21 22:50
ヘルプ・ミィ
照りつける太陽の下で、私は、砂浜を歩いていた。 見上げれば雲一つない青空。 寄せては返す波の音と、私が砂を踏む音以外、ここには余計な音がない。 ...続きを見る

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2007/03/18 23:43
死んでも君を
――死んでも君を離さない。 誰にも渡したりしない。 ...続きを見る

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2007/03/18 00:03
迷惑かけずに
私は、駅のホームの端の方で、電車が来るのを待っていた。 ...続きを見る

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2007/03/11 22:21
予言が当たらない理由
「君、明日、出張してきてくれないかね」 ...続きを見る

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2007/03/07 00:02
ホントのアタシ
アタシは、他人から見て、一体どんな女の子なんだろう。 近頃、そんなことが気になってしょうがない。 ...続きを見る

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2007/03/02 22:22
私は、遊園地の入場門の前にいた。 門の向こうには噴水があり、そのまた向こうにメリーゴーランドが見える。 観覧車やジェットコースター、お化け屋敷にゴーカートなんかもあるのだろう。 ...続きを見る

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2007/02/27 23:29
『は』と『ほ』
そいつは、高いビルの屋上から街を見下ろしていた。 退屈さを忘れさせてくれる獲物を探しているのだ。 ...続きを見る

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2007/02/22 00:06
質問と答え。
ある王国で、数人の若者が捕えられた。 彼らは、国王の暗殺を企てていたのだ。 密告が元で足がつき、兵士達によって一網打尽にされた彼らは、両腕と両足を頑丈に縛られて国王の前に転がされた。 ...続きを見る

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2007/02/17 00:12
禁じられたこと
青年は、乱暴に牢に放り込まれた。 彼を放り込んだ者達は、あからさまな侮蔑と嘲笑を残し、立ち去って行った。 青年は、悔しげな顔も悲しげな顔も、絶望に打ちひしがれた顔もしなかった。 身を起こし、放り込まれた時に打ったところをさする。 ...続きを見る

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2007/02/13 23:21
バレンタイン・ラプソディ
いつも、学校帰りに歩道橋ですれちがうあの人。 背はあまり高くないし、着てるものは地味なものばかりだけど、目元が優しい感じで……初めてすれちがった後、胸がドキドキして止まらなくて、一目惚れしたんだってことに、あたしは嫌でも気付いた。 ...続きを見る

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2007/02/11 23:35
どいつに助けられたい?
道を歩いていたら、いきなり数人のガリガリな……たぶん男だと思う……怪しい連中に取り囲まれた。 全身を黒タイツで包み、変な仮面をつけた彼らは、「キーッ」だか「ギーッ」だか、妙な声を出しながら、私を囲む輪をジリジリ狭めてきた。 ...続きを見る

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2007/02/08 22:49
ミントチョコの実と笑わない姫の話
そこは、おとぎの国とでもいうべき場所であった。 ...続きを見る

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2007/02/04 22:00
節分異聞
黒い布の上に細かいガラスをばらまいたように、いくつもの星がきらめく宇宙。 その中に、巨大な銀色の宇宙船が浮かんでいた。 ...続きを見る

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2007/02/01 23:05
シラ様
最近、職場の同僚の羽振りが物凄く良い。 既に奥さんと二人の子供がいるというから、ローンを支払う金や教育費のために、少しでも節約した方がいいだろうに。 ...続きを見る

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2007/01/28 22:06
足元からの危機
バイトの帰り道で、気になるものを見つけた。 ...続きを見る

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2007/01/24 22:41
おてんとう様はお見通し
俺は、大あくびを繰り返しながら、ホームで電車を待っていた。 ああ……眠い。 差しこむ陽射しが目に痛い。 今日はバカ陽気で、やたら陽射しが強いのだ。 ...続きを見る

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2007/01/23 23:04
異星人はかく語りき
俺は、調査のために地球に派遣された異星人である。 地球人が普段何をし、何を食べ、何を思って生活しているかを密かに調べ、本星にデータを送るのだ。 ...続きを見る

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2007/01/21 22:10
退屈な休日の話
暖かな日差しを浴びながら 意味のない空想ごとに夢中になる ウトウトとロッキンチェアーに揺られながら エンドレスで好きな音楽を頭の中で奏でて ...続きを見る

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2007/01/14 21:23
現代○○事情2
俺は、ただ今就職活動中の身の上である。 俺が希望する会社は一流企業ということもあって、物凄い倍率である。 「コネでもないと入れない」なんて言われたほどだ。 ともかく、筆記試験に合格した者だけが、次の面接に臨めるわけだが……俺はどうにか残ることが出来た。 あの人数を思うと、奇跡的と言ってもいい。 ...続きを見る

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2007/01/09 22:56
飛んで火に入る
友達と遊んでて、帰りがいつもより遅くなった。 ...続きを見る

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2007/01/06 22:53
人捜し屋のシズヤさん
人捜し屋のシズヤ、という男がいる。 ...続きを見る

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2007/01/05 12:11
とある死神の話
*この話は2006年12月16日の「それは誰にも平等なもの」と設定がちらっと同じです。要するに死神さんの話。* ...続きを見る

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2007/01/02 13:51
片付けられない男
本日、やっとこさ仕事納めにこぎつけた。 ...続きを見る

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2006/12/31 00:47
繋がるプレゼント
羽根のような白い雪が、音もなく瓦礫の上に降り積もる。 見渡す限りの灰色の風景。 灰色なのは、そこが全てコンクリートの瓦礫で埋め尽くされた場所だから。 ――かつて、そこはちゃんとした地名のある場所だった。 たくさんの物が溢れ、人がゴミのように大勢歩いていた。 しかし、それは遥か昔のこと。 今となっては、人類は崩れかかった瓦礫の隙間で這いまわるようにして生活していた。 飢えと寒さとに震え、足元からじわじわとのぼってくるような絶望感に細やかな心を奪われながら。 ...続きを見る

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2006/12/24 14:05
故郷に帰る
平日の、ちょうどお昼ご飯を食べ終えるような時間帯。 田舎の鈍行列車の中は、ほとんど人がいなかった。 運行する側も、この時間帯は乗客が少ないことを知っているのだろう。 列車は、一両で運行していた。 ...続きを見る

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2006/12/19 23:26
それは誰にも平等なもの
病院というのは、人の病気を治す機関なのだから、数多くの薬品が存在して当たり前なのだろう。 その薬品の臭いが充満するのも、当然のことと言える。 しかし、世間にはどうしてもその臭いが受け入れられない人もいる。 彼女――みもりという名前の人物も、それに当てはまる。 ...続きを見る

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2006/12/16 23:29
現代○○事情
不動産屋の前で、昔の友人に会った。 就職のために都心部に出た私とは違って、田畑の広がる田舎で実家暮らしをしていたはずなのに、どうしてこっちにいるんだろうか。 ...続きを見る

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2006/12/07 23:41
まみちゃんのママ
アタシのパパとママは、毎日ケンカばっかり。 顔を見るたびに、って言ってもいいぐらい、とにかく色んなことでケンカしてる。 大声で怒鳴りあうだけじゃなく、壁とか床に物をぶつけたり、お互いに物を投げつけてるのだ。 それも、最近じゃクッションとかじゃなくて、茶碗やお皿、果物ナイフとかを。 ...続きを見る

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2006/12/01 22:17
同居人
私は、年上の彼と同居中だ。 彼は会社で働くサラリーマンで、そのマンションに私が転がり込む感じで同居してる。 言っとくけど、タダで同居させてもらってるわけじゃない。 ちゃーんと炊事洗濯にお掃除、家事をこなしてる。 ゴミ出しは朝起きるのが大変だから、お願いしちゃってるけどね。 ...続きを見る

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2006/11/23 14:56
想い人
「坂野さん」 ...続きを見る

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2006/11/12 16:40
カッコ悪い男
ある日の放課後、下級生の女子に告白された。 ...続きを見る

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2006/11/05 11:35
花束を君に。
「シノ!」 ...続きを見る

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2006/11/01 22:50
雨の降った日。
「失礼しました」 ...続きを見る

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2006/10/27 23:18
わたしは、鏡を見つめた。 ...続きを見る

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2006/09/25 23:06
覚醒
両親が、二十回目の結婚記念日を祝して一泊二日の温泉旅行に出かけた。 なので、今日、家にいるのは、私と妹のミホだけだった。 好きな時間まで遊んで、ご飯は適当にどっか行って食べよう……と思ったんだけど、「カレーの材料は買ってあるから、作って食べてね」というお母さんの言葉で、私が夕飯を作ることになってしまった。 あまり気乗りしなかったんだけど、仕方ない。 ミホは家事全般が本っ当に駄目で、手伝わせることすら危険なのだ。 私、ミホの失敗を目の当たりにするまで、家事にも才能とか向き不向きがある... ...続きを見る

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2006/09/10 14:39
恋心
「あの……好きな人って、いるんですか?」 ...続きを見る

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2006/09/04 22:22
親切な人
俺の趣味は、ドライブだ。 好きな音楽をガンガンかけてハンドルを握っていると、会社での嫌なことなんかすっ飛んでしまう。 久々に取れた休みの日、俺はいつものようにドライブに出かけた。 ...続きを見る

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2006/09/03 15:28

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