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zoom RSS あたしと魔法の皿〜びゅーちふる編〜

<<   作成日時 : 2008/04/29 21:40   >>

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家の食器棚を整理していたら、奥から汚い皿が出て来た。
茶色い汚れがべったり張り付いていて、正直あまり触りたくない。

でも、手頃な大きさで重宝しそう。
捨てるなんて、ちょっともったいない。

あたしは、取りあえずつけ置きしようと流し台の前に立ってから、こないだとある店のオープン記念にもらった粗品のことを思い出した。

確か、水だけで頑固な汚れもよく落ちる、というスポンジみたいなやつだ。

いい機会だ、使ってやろう。

ポンジを濡らして軽く絞ってからこすってみる。

すると、ぺったり張り付いていた茶色い汚れが取れてきた。

すごいなあ、現代の科学。

ひそかに感動していたら、いきなり、もくもくもくもくと白い煙が立ち上った。

えっ? 何よ、火事?

驚いて動けずにいると、煙の中から大男が現れた。

「お呼びでございますか、ご主人様」

大男は、あたしに向かってうやうやしくお辞儀をする。

「あ、あんた誰よっ」

「私は皿の魔神でございます。何なりとご用をお申しつけください」

……開いた口がふさがらない。

皿の魔神って。
アラビアンナイトに出て来るランプの魔神じゃあるまいし。

でも、願い事をかなえてくれるみたいだし……。

「ねえ、どんな願い事でも叶えてくれるの?」

あたしは試しに聞いてみた。

「もちろんでございます」

それじゃあ早速、願い事を叶えてもらおうじゃないの。

「じゃあ、あたしを美人にして」

笑いたい奴は笑え。
女が美人になりたいって願って、何が悪いっつうのよ。
それで笑う奴は、ブサイクに生きる価値はないとばかりに平気で足蹴にする奴だ。

「お安い御用です」

途端、ばふん、と煙が全身を覆った。
そのうち煙がだんだん薄くなって、あたしの体が見えてくる。

きっと、ナイスバディに変わってるんだろうな……なんて期待してたら。

「きゃーっ!?」

悲鳴を上げずにいられなかった。

だって、あたしの体は、とんでもないデブになっていたのだ!
バスト、ウェスト、ヒップ、全部が軽く百センチを越えてるんじゃないか、っていう体型。

「あ、あ、あんた。これのどこが美人なのよ!」

怒りとショックで拳を震わせると、魔神はうっとりとあたしを見つめた。

「何をおっしゃいます。太った女性は大変美しいじゃありませんか。抱きしめた時の弾力がまた、何とも……」

…………。

ああ、あたしは魔神基準の美人にされてしまったのか。

「魔神」

「何でしょう」

「元に戻せ」

あたしの二番目の願い事は、自動的に決まったのだった。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
きゃあ☆シリーズになってるぅ!
魔人にうっとり見つめられてもねぇ。美容院に行く時みたいに雑誌を持って行って、「こんな感じで」って言わなきゃダメですね。
ia.
2008/04/29 23:45
感想ありがとうございます。
ええ、前回のia.さんのコメントでヒントを得ました。
ありがとうございます。
いくつか話を思いついたのでシリーズ化です。
美容院に雑誌持っていくのかあ。
美容院に行って「似合うようにしてください」って言ってみたら不安げに雑誌を山と持って来られ、「どれにするか選んでください」って言われた、遠いあの日の記憶が甦る……。

よろしければ、またおいで下さいませ。
鈴藤由愛
2008/04/30 23:00
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