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zoom RSS ホントのアタシ

<<   作成日時 : 2007/03/02 22:22   >>

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アタシは、他人から見て、一体どんな女の子なんだろう。
近頃、そんなことが気になってしょうがない。

カワイイ?
キレイ?
それとも……不細工?

だったら鏡を見ろよ、って言われそうだけど、それじゃホントのアタシが見れない。
だって、鏡を見る時って大体、良い表情を作っちゃうじゃない。
いつもの顔を意識したら、その時点でそれは作った表情になってしまう。

アタシが見たいのは、アタシ以外の皆が見てる、普段の自然体なアタシ、なのだ。

誰かに隠し撮りでもしてもらえば良いのかな?
でも、頼んだりしたら、アタシはその瞬間からカメラの存在を意識しちゃいそう。
そしたら、自然体なアタシじゃなくなっちゃう。
うーん……。

歩きながら考え事に夢中になっていたら、小学生の男の子にぶつかった。
男の子はよろけて、尻餅をついた。

「ゴメン、大丈夫?」

アタシが助け起こそうとすると、男の子はアタシの手を払い除けた。

「触んじゃねぇよ、ババア!」

な……なんて口の悪いクソガキ!
アタシが何か言ってやろうと思っているうちに、男の子は凄い速さで逃げてった。
まったくぅ〜、最近の子供って何て失礼なの!
……まあ、いないヤツに怒ったって、しょうがない。
うん、しょうがない。気にしない。
アタシはそう思うことにして、どうにか爆発を抑えた。

と、その時だった。

「あの……」

誰かが、声をかけてきた。
振り向いてみると、気の弱そうな男の人がいた。

「はいっ?」

まだイライラの残った声で返事をすると、男の人はビクッと震えた。
……ねぇ、そんなにアタシのこと、怖いワケ?

「あ、あの……僕、街路樹の写真を撮っていて……あの、本当は、人が写ってない方が良いので……」

小さい声で、ボソボソボソボソ。
何を言いたいんだろう、この人。
ちっともわかんない。

「で、でも、偶然あなたが写ってしまったので、良ければこれ、差し上げます」

震える手で、男の人が一枚のポラロイド写真をアタシに差し出す。
写真はまだ完全に出来上がってなくて、黒いところに何かの輪郭がぼんやり浮かんできてるところだった。
アタシは、それを見ながら、思った。
……これって、ラッキーかもしんない。
だって、その写真には、自然体のアタシが写ってるはずだ。
アタシの望みが、叶うかもしれない。

「じゃあ、もらいます」

アタシは、写真を受け取った。

「それじゃ……」

男の人は、街路樹を撮ると、ぶらぶらと歩いて行った。

さて、そろそろ出来たかな。
アタシは、指に挟んだままのポラロイド写真を、顔の前に持ってきた。

「っ!」

アタシは、その写真を投げ捨てた。


そこに写っていたのは、さっきの、小学生の男の子とぶつかったところだった。

尻餅をついて、しかめっつらしてる男の子。

そして、もう一人。




女子高生のカッコをした、小太りで顔中シミだらけの、オバサン。

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