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日 時 |
N氏の物語10−最終話
――私は。
急に声を荒げたNを、驚いて見つめ返すばかりだった。
一体何を言い出すのだろう。
私がフレッドという人であるはずがないのに。
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2012/05/12 12:59 |
N氏の物語9
逃げてきた浜辺は、水を汲める川がなく、果物のなる木もほとんどなかった。
俺達はたちまち飢えや渇きに襲われたが、二人とももうあっちに戻る気にはなれなかった。
逃げてきてから数日、俺達はひどく怯えて過ごした。
一番安全だと思う場所に逃げたとはいえ、いつ、どこからあの怪物どもがやって来るかわからないからだ。
草が風にゆれ、波が少し強く打ち寄せただけでも緊張せずにいられなかった。
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2012/05/06 12:01 |
N氏の物語8
俺達は怪物の手で、洞窟の中の広い場所に連れて来られた。
驚いたことにそこの岩は、緑色のエメラルドのような光を放っていた。
高い天井に明けられた穴から太陽の光が降り注いで、石を光らせていたんだ。
まるで、大聖堂か何かのような、神秘的な場所だったよ。
そこが観光名所だったら、誰もが心奪われてじっくり見て回りたいと思うだろうな。
だが実際には気味の悪い怪物どもの集会場で、俺達は殺されようとしているところだ。
その場所がきれいだろうが神秘的だろうが、感動もへったれもありゃしない。
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2012/05/05 17:00 |
N氏の物語7
次に気がついた時、俺は岩をくり抜いたような所に寝かされていた。
そこはとにかく生臭くて暗い場所だった。
所々にくくりつけられたたいまつの明かりがなかったら、何も見えなかっただろう。
体を起こすと強烈な頭痛が襲ってきて、思わずうずくまったよ。
そこで思い出したんだ、怪物に捕まったんだ、ってな。
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2012/05/04 16:10 |
N氏の物語6
俺もフレッドも、後ろを振り向かずにひたすら走った。
あんな怪物が追いかけてくるっていうのに、振り向く気になんてなれるもんか。
走って、走って、走って……ねぐらにたどり着いた。
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2012/05/03 17:04 |
N氏の物語5
フレッドの提案で、俺達はあの怪物どもの後を追うことにした。
戻るのが遅くなったとしても、食料を持って帰ればそんなにひどい目にはあわせないだろう、ってのがフレッドの意見だった。
もし文句を言って来たなら、「遠くまで行かないと手に入らなくなってきた」ってことにしよう、って俺達は口裏を合わせた。
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2012/05/02 23:14 |
N氏の物語4
それからの生活は、まるきり奴隷のようだった。
拳銃を持った男は、俺達三人の男を下僕扱いした。
あいつは俺達に色んな仕事をさせて、まるで王様のように過ごしていたよ。
食料集めに川の水汲み、火の番をさせるだけじゃない。
あいつは柔らかい草を集めて、その上に大きな葉っぱを乗せたベッドをこしらえさせたり、椅子代わりにするために、平らな石を運んでこさせたりもした。
その間、あいつはルーシーを手荒に扱い、気まぐれに俺達を脅したりして過ごしていた。
ルーシーは毎日、ずっと泣きっぱなしだったよ。日を...
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2012/05/01 20:36 |